December 17, 2019 / 6:21 AM / 7 months ago

アングル:来年は国内の小型株活況か、海外勢流入の2013年に類似

[東京 17日 ロイター] - 来年の新興株市場は面白いかもしれない──。市場からこうした声が聞かれ始めている。「5G」市場の拡大や規制緩和期待などを背景にして、2013年のように海外マネーが流入するとの期待が高まっているという。

 来年の新興株市場は面白いかもしれない──。市場からこうした声が聞かれ始めている。写真は2015年8月、都内で撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

<海外投資家のシェア高まる>

インベスコ・アセット・マネジメントの日本株式運用部グロース運用チーフ・ポートフォリオ・マネジャー、得能修氏は、新興株が活況となった2013年に状況が似てきたと指摘する。

13年は、アベノミクスが前年に始まり、日本の成長戦略に対し海外投資家の期待が高まった年だ。大型株だけでなく、海外投資家は出遅れていた新興株銘柄を買い、ジャスダックやマザーズなど新興株市場が大きく盛り上がった。

日経ジャスダック平均の予想PER(株価収益率)は12年に11倍台に低下した後、13年5月に一時24倍台まで上昇した。その後、15倍から20倍台のレンジで推移していたが、18年にレンジを下回り12倍台に低下。その後、徐々に上昇し現在19倍台となっている。

「新興株市場における海外投資家の売買シェアは、12年12月時点の18%程度から現在は40%程度まで高まっており、存在感を増している。これが明確に買い越しに転じればマーケットそのものがおもしろい形になってくる」と得能氏はみる。

<小型株が上昇しやすい「1月効果」>

年の序盤は「1月効果」と呼ばれ、小型株が上昇しやすい傾向がある。個人投資家などが税金対策として年末にかけて売りを出した後、1月はその反動として新規の投資資金が流入しやすいためだ。

大和証券のチーフテクニカルアナリスト、木野内栄治氏によると、機関投資家も同じような傾向がある。「(年末は)機関投資家のポジションは最終投資家に説明しやすい大型株が中心となりがちだ。その反動で(1月は)中小型株の運用が本格化する」と指摘する。

一方、1─3月は大型株が伸びづらいとの指摘もある。「政策保有株式(持ち合い株式)の売却などが期末に向けて出やすいためだ」(東海東京調査センターのシニアエクイティマーケットアナリスト、仙石誠氏)という。

サンバイオ(4592.T)が大日本住友製薬(4506.T)との新薬の共同開発中止を発表したことが嫌気され、17日のマザーズ市場ではサンバイオ株がストップ安となった。しかし、ジャスダック指数は上昇するなど新興株市場全体には影響は波及していない。突発的なショックにもある程度は耐性がついてきたとの声も出ている。

<5G関連や規制緩和に期待>

13年のようにアベノミクスに対する期待が盛り上がっているわけではないが、技術革新や規制緩和が小型株期待の背景になっている。

日本では20年春から次世代通信規格「5G」の商用サービスが本格化する。KDDI(9433.T)によると「4G」に比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍といい、新たなサービスやビジネスを展開できるようになる。

株式市場では、5G関連銘柄が活況を呈しており、半導体の微細化に必要なEUV(極端紫外線)に対応する欠陥検査装置を手掛けるレーザーテック(6920.T)の株価は19年年初から3.7倍に上昇。5G向け配線基板の微細化用銅メッキ添加剤のJCU(4975.T)、半導体ウエハー研磨剤に使用される超高純度シリカなどの扶桑化学工業(4368.T)などの株価も好調だ。

5Gは、ゲームやエンターテインメント、放送・通信などに幅広い分野で広がっていくと期待されている。「まずはハードの変化が起き、その後、それを使ったソフトの変化。来年はハードの変化からソフトの変化を株式市場は織り込みにいくだろう」(外資系投信)との声も出ている。

政府の規制改革会議のメンバーが入れ替わったことも、規制緩和の機運が高まりやすい状況を示しているとの見方もある。IT(情報技術)に精通する経営者や有識者を多数参加しており、今月、技術革新への対応、人材育成、人手不足への対応、行政サービスの効率化など重点テーマが提示されている。

マクロ経済では主要中銀の金融緩和でリスクマネーが増加傾向。経済協力開発機構(OECD)が10日に発表した10月の景気先行指数が20カ月ぶりに前月比でプラスに転じ、景気の底入れ感も出てきた。「クレジットスプレッドが上がらない中、運用難も手伝い低格付け社債金利の低い状態が続いている」(大和総研のシニアエコノミスト、小林俊介氏)との指摘もある。

2020年は「緩やかな景気回復の下、金融緩和環境が続く」というのが多くのエコノミストの予想だ。ゴルディロックス相場や流動性相場と呼ばれる年は、小型株がジャンプアップする傾向があり、来年はその典型例のような年になるか注目されている。

杉山健太郎 編集:青山敦子

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