August 5, 2014 / 5:42 AM / 5 years ago

アングル:トルコ大統領選、エルドアン氏が現役の強み発揮

[イスタンブール 4日 ロイター] - トルコのエルドアン首相は首都イスタンブールで行われた新スタジアム落成を祝うサッカーの記念試合に出場し、ハットトリックを決めて観衆から喝采を浴びた。オレンジ色のウェアの背番号は「12」。8月10日に行われるトルコ初の公選による大統領選挙で、第12代大統領就任を目指すエルドアン氏の野望が読み取れた。

 8月4日、10年以上にわたりトルコ政界を牛耳ってきたエルドアン首相(写真)が、10日に行われる同国初の公選による大統領選挙で、対抗馬を破るのは間違いないとみられている。イスタンブールで3日撮影(2014年 ロイター/Murad Sezer)

10年以上にわたりトルコ政界を牛耳ってきたエルドアン氏が、国内での知名度が低い外交専門家のエクメレディン・イフサンオウル氏や、クルド系野党候補のセラハッティン・デミルタシュ氏を破るのは間違いないとみられている。

ただ、対立候補は選挙戦が不公平だと訴える。野党候補が選挙活動資金を主に献金に頼っているのに対し、エルドアン氏は6月にイスタンブールの空港建設の鍬入れ式、7月下旬には高速列車の開業式典に出席するなど公けの場に頻繁に現れ、その費用の一部は公費で賄われている形だ。

選挙戦が正式に始まった7月11日までは首相専用ジェット機で国内を飛び回り、支持者に訴え掛けた。エルドアン氏のスポークスマンによると、選挙戦の規制が強化された7月31日以降は専用機や公用車の使用を止めたという。

エルドアン氏の選挙対策本部の関係者は、首相は政治家として最強であり、選挙戦に公費は必要ないとした上で、公式行事への出席は倫理的にも法的にも問題ないと述べた。

野党の共和人民党(CHP)はエルドアン氏が大統領選出馬に当たって首相を辞任すべきだと訴えたが、選挙管理委員会は先月、この申し立てを却下。エルドアン氏はオバマ米大統領やメルケル独首相が在任のまま再選を目指したと指摘した。

ただエルドアン氏の選挙戦については「首相専用機の利用はある意味で倫理基準に反する」(元控訴裁判所長官)と批判の声がある。選挙戦の監視に当たる欧州安全保障協力機構(OSCE)も7月31日の中間報告で、エルドアン氏の選挙活動が政府の公式行事など大規模なイベントで行われるのに対して、他の候補の活動の露出は限られると指摘した。

野党・自由民主主義党(LDP)のCem Toker党首は「私の考えではエルドアン首相は違法なステロイドや薬物の利用を認められているスポーツ選手のようなものだ」と主張。過去の実績、人気やカリスマ性は現役の首相としての強みだが、国の資金や資源を勝手に使うのは不公正だと批判した。

<メディアも公正さ欠く>

人権や民主主義に関する国際機関である欧州評議会の使節団は7月、トルコの放送規制当局であるラジオ・テレビ最高評議会(RTUK)に対し、エルドアン氏の発言については首相としてなのか大統領候補としてなのかを峻別すべきだとした。

地元メディアによると、トルコ国営放送(TRT)の7月4日から6日にかけての放送時間を見ると、エルドアン首相が533分だったのに対してイフサンオウル氏は3分24秒で、デミルタシュ氏はわずか45秒だった。

国内主要メディアは昨年夏、少なくとも最初の時点では各地で発生した反政府行動を伝えず、エルドアン氏のスピーチを生放送して批判を浴びた。ビルジ大学のエスラ・アルサン教授(メディア学)は「与党・公正発展党(AKP)は過去12年間に報道機関の検閲方法に熟達した。訓練により検閲は完璧になっている」と話した。

(Humeyra Pamuk and Jonny Hogg記者)

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