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アングル:米大陸で「ジカ熱」感染拡大の恐れ、小頭症と関連か
January 26, 2016 / 7:18 AM / 2 years ago

アングル:米大陸で「ジカ熱」感染拡大の恐れ、小頭症と関連か

[ジュネーブ/ロンドン 25日 ロイター] - 蚊が媒介する「ジカ熱」感染が、カナダとチリを除くアメリカ大陸諸国に拡大する可能性があると、世界保健機関(WHO)が25日発表した。

ジカ熱は先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児がブラジルで増加していることと関連があるとみられている。

ジカウイルスは米国本土でまだ確認されてはいないものの、ハワイ州で小頭症の赤ちゃんを出産した女性が、ブラジルでジカウイルスに感染していたことが明らかとなった。

ブラジル保健省は昨年11月、ジカ熱と小頭症の関連性を指摘していた。WHOによると、ブラジルは小頭症の疑いのあるケースとして3893例報告している。2010年以降で30倍以上増加しており、最も感染が拡大している地域の一つ、ペルナンブコ州では新生児の1─2%に相当する。

西アフリカでのエボラ出血熱の流行に続き、アメリカ大陸におけるジカ熱感染拡大の可能性は、ほとんど知られていない病気がいかに急速に世界的脅威となり得るかを改めて示している。

「薬もワクチンもない。エボラのときも同じことを言っていた。まるでデジャブだ。非常に重要なのは、できるだけ早くワクチンを開発することだ」と、オックスフォード大学のトゥルーディー・ラング教授は語る。

商業的な見通しが不確かな熱帯病のワクチン開発に対する大手製薬会社の投資は十分とは言えず、専門家はエボラ出血熱の経験を踏まえ、インセンティブを与えるような新たな仕組み作りを訴えている。

米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は先週、「一度きりではなく、持続可能な解決策があると(企業が)思える計画のようなものが必要だ」と指摘する。

現在、ブラジルのサンパウロにあるブタンタン研究所がジカ熱の研究を主導しており、ワクチンを「記録的な速さで」開発する計画だと先週明らかにした。ただし同研究所の所長は、それでも3─5年はかかるだろうとしている。

英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK.L)は25日、同社のワクチン技術がジカ熱に使えないか研究していると発表。一方、仏サノフィ(SASY.PA)も同社の技術が適用できないか可能性を検討しているという。

<リオ五輪の懸念>

ジカウイルスは、ウガンダのビクトリア湖近くにあるジカの森に生息するサルから1947年に初めて発見された。これまでアフリカや東南アジア、太平洋諸島の一部で流行が確認されてきた。

だが、ジカ熱に関する科学的データはほとんどなく、ブラジルで小頭症を引き起こしているかもしれない原因も不明だ。

ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院のローラ・ロドリゲス教授は、ジカ熱が進化している可能性を指摘する。

 1月25日、蚊が媒介する「ジカ熱」感染が、カナダとチリを除くアメリカ大陸諸国に拡大する可能性があると、WHOが発表した。写真はジカウイルス。米疾病対策センター提供(2016年 ロイター)

同教授はまた、ブラジルでリオ五輪が開催される8月になっても同国で流行が続いているようであれば、妊婦は遠ざかるか、体を覆うなど蚊に刺されないよう注意を怠らないようにするべきだと語った。

ジカ熱が流行している地域への渡航を計画している妊婦は、渡航する前と帰国時に医療従事者に相談するようWHOは勧告している。

ジカ熱の症状は通常は軽度であり、デング熱によく似ている。同じネッタイシマカによって媒介されることから、ジカ熱感染が、デング熱が当たり前となっている世界中のあらゆる場所に拡大するのではないかという不安を引き起こしている。

世界人口の3分の1以上が、デング熱感染のリスクがある地域で生活しており、その範囲はアフリカ、インド、東南アジア、中南米にまで至っている。

    WHOは声明で、ジカ熱が2015年5月以降、アメリカ大陸の21カ国・地域に急速に拡大している原因として、ネッタイシマカの生息地拡大や免疫の欠如を挙げている。

    <女性へのリスク>

    症状は軽いが胎児の先天異常を起こす恐れのある風しんのように、出産適齢期前の女性にジカ熱のワクチンを接種する必要があると、専門家は考えている。

    蚊以外の感染ルートに関する証拠は限られている。

    WHOは「ジカウイルスはヒト精液内に隔離されており、ヒトからヒトへ性感染した可能性が1例あるが、性的接触が同ウイルス感染の手段であるかどうかを確認するにはさらなる証拠が必要だ」としている。

    ジカ熱と小頭症の因果関係が確実に証明されたわけではないものの、マーガレット・チャンWHO事務局長は、状況証拠について「示唆的で極めて懸念すべき」との見方を示した。

    ジカ熱に有効なワクチンと薬の開発に加え、一部の研究者は媒介する蚊への対策に取り組んでいる。

    米バイオ技術開発イントレクソン(XON.N)の英子会社オキシテックは、遺伝子操作を行ったネッタイシマカを放ち、通常のネッタイシマカを減少させることを期待している。

    オキシテックによると、同社が昨年4月から11月に2500万匹の遺伝子操作されたネッタイシマカ「OX513A」をブラジルのある地域に放したところ、野生のネッタイシマカの幼虫を82%減らすことに成功。当局は、同地域におけるデング熱感染が激減したと報告している。

    (Tom Miles記者、Ben Hirschler記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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