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アングル:ロック解除法、FBIの秘密保持は正当化されるか
March 31, 2016 / 8:21 AM / 2 years ago

アングル:ロック解除法、FBIの秘密保持は正当化されるか

[ワシントン 30日 ロイター] - 米連邦捜査局(FBI)は、カリフォルニア州で昨年起きた銃乱射事件の容疑者が使用していたアップル(AAPL.O)のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をどのようにロック解除したかについて、米政府規定に反して情報を留保することが認められるかもしれない。

 3月30日、米連邦捜査局(FBI)は、カリフォルニア州で昨年起きた銃乱射事件の容疑者が使用していたアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をどのようにロック解除したかについて、米政府規定に反して情報を留保することが認められるかもしれない。写真はカリフォルニア州で21日撮影(2016年 ロイター/Stephen Lam)

規定では、連邦機関が情報技術(IT)セキュリティーに不備を発見した際は、企業がデータ保護の不具合を修正できるよう、詳細を公表することが求められている。ただこの規定は法執行機関には例外を認めており、またいつどのように適用されるべきかは明確に定められていない。

アップルは、ロック解除方法を共有してほしいと表明している。しかしFBIは、これまで複数の容疑者の暗号化された電話に残されたデータにアクセスできず苛立ちを感じてきたこともあり、カリフォルニア州サンバーナディーノの事件のサイード・ファルーク容疑者の電話のロック解除に成功した方法については公表を控えたいかもしれない。

審判的な役割を務める可能性が高いのは、連邦機関が発見したコンピューターのセキュリティーの不具合について協議し、公表の是非を決定するホワイトハウス内のグループだ。

専門家によると、このグループが審査を行う対象は明確に規定されていない。また審査が実施されても、FBIがロック解除に利用したアイフォーンの脆弱性の公表を求められることはないと専門家の多くはみている。ロック解除が契約先の技術を用いて行われた場合は、審査の対象外となることもあり得るとの見方もある。

米司法省の高官は会見で、ファルーク容疑者の端末の解除に使用された方法が他の端末でも有効かどうか、また今回の解除方法が他の法執行機関と共有されるかどうかについては回答を控えた。

<「極めて重要な情報」の保護>

政府が審査プロセスを見直したのは約2年前。国土安全保障省と情報機関以外に、どの機関が審査に通常関与しているかは明らかにされていない。国家安全保障会議(NSC)から関与の有無についてコメントは得られてない。

同グループで議長を務める、ホワイトハウスのサイバーセキュリティ―担当者、マイケル・ダニエル氏は2014年4月にブログで、秘密保持は時に正当化されると指摘。「脆弱性を明らかにすることは、テロリスト攻撃の阻止につながる極めて重要な情報を収集する機会を失うことになりかねない」と説明した。

国土安全保障省に勤務した経験を持つ、コンサルティング会社「レッド・ブランチ・コンサルティング」の創業者ポール・ローゼンツバイク氏は、アップルの脆弱性が同グループで審査対象にされなければ「衝撃を受ける」と述べた。ただ、FBIがファルーク容疑者の端末を保管しているとみられ、セキュリティー被害拡大の脅威はほとんどないことから、脆弱性の公表を余儀なくされる可能性は低いとの見方を示した。

    過去に米国家安全保障局(NSA)で法務を担当した弁護士のスチュワート・ベイカー氏は、ロック解除技術がFBIに協力した第三者が所有しているものとされれば、審査プロセスは複雑化する可能性があると述べた。

    FBIに協力した企業については、モバイルデータの犯罪捜査(フォレンジック調査)を手掛けるイスラエル企業のセレブライトだと一部専門家は指摘している。同社はコメントを控えている。

    FBIが脆弱性の公表を免れても、アップルはロック解除方法の共有を引き続き要求することは可能かもしれない。

    司法省は、薬物捜査に関連してアップルにアイフォーンのロック解除を命じるようニューヨークの裁判所に訴えている。関係筋によると、政府がこの要求を取り下げなければ、アップルはこの訴えを利用してロック解除に用いた技術をFBIに明らかにさせることができるかもしれないという。

    一方、政府の審査がFBIに技術公表を求める結果になると考える専門家もいる。ジョージア工科大学の法学教授、ピーター・スワイア氏は、政府の規定は「幅広く利用されている商業ソフトウエアの防衛技術の重要性を強調」しており、アップルに脆弱性を伝える「揺るぎない」理由が存在するとの見解を示した。

    Dustin Volz記者 翻訳:本田ももこ 編集:加藤京子

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