[サンフランシスコ 24日 ロイター] - 米連邦判事は24日、人気ゲーム「フォートナイト」開発元のエピック・ゲームズのコンピューターグラフィックスソフトウエア「アンリアル・エンジン」について、アップルAAPL.Oによる停止措置を阻止する判断を示した。
アンリアル・エンジンはエピックがアフィリエイト事業を通じて提供しており、数百のゲームといったアプリはアップルのiPhoneでアプリを起動させるために同ソフトを利用している。
イボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事は「エピック・ゲームズとアップルは互いに提訴するのは自由だが、第三者に大損害をもたらすべきではない」と指摘した。
アップルは今月、エピックがフォートナイトに導入した独自課金システムがアプリ販売の「アップストア」の規約に違反したとして、フォートナイトを削除。エピックは削除の差し止めを求めて提訴し、アップルが予告しているエピックの開発者アカウント停止についても阻止するよう裁判所に要求した。アカウントが停止されれば事実上、アンリアル・エンジンの提供が妨げられる。
エピックはアップストアの規約が反トラスト法(独占禁止法)に抵触していると主張。また、ソーシャルメディアでハッシュタグ「#FreeFortnite」を使ってアップストアに抗議するよう呼び掛けている。
ゴンザレス・ロジャーズ判事は「(フォートナイトの)現在の苦境は自ら招いたもののように見える」とし、元の状態への回復を命じることを拒否。しかし、エピックの関係先に対するアップルの行動については、関係先がフォートナイトのようにアップルの規約に反したのではないためあまりに厳しいと述べ、アンリアル・エンジンの維持を認めた。
24日の審理ではアップル側代理人であるリチャード・ドーレン氏とのやり取りがあり、同判事はiPhone上のアップストアには「競争がない」と見ていると指摘。「聞きたいのは、競争がなく、30%(のアップストア手数料)はどこから来たのかということだ。なぜ10%、20%ではないのか。消費者の利益はどうなのか」と尋ねた。
ドーレン氏は、消費者はアンドロイド端末とiPhoneのどちらを購入するか決める際に選択肢があると答えた。
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