[ニューヨーク/サンフランシスコ 18日 ロイター] - 米カリフォルニア州で昨年12月に起きた銃乱射テロをめぐり、アップル(AAPL.O)が容疑者のiPhone(アイフォーン)のロック機能解除に協力するよう命じられた問題で、同社は表現の自由を盾に反論を展開しそうだ。この問題に詳しい複数の弁護士が今週、明らかにした。
米連邦地裁は16日、アップルに解除協力を命じたが、同社は拒否。同社は来週初めに法廷に反論を提出する。
裁判所の書類によると、アップルは政府との法廷闘争に向け、表現の自由を専門とする著名な弁護士2人を採用した。
米司法省の弁護士は1977年の米最高裁判決などを引き合いに、アップルへの協力要請を擁護している。この判決で最高裁は、電話番号を記録する装置の設置を電話会社に命じることを支持した。
アップルはこの判例の適用範囲を主な攻撃材料とする見通し。しかし複数の弁護士によると、同社は米合衆国憲法修正第1条が保証する表現の自由にも論点を広げそうだ。
スタンフォード大インターネット・社会センターの暗号専門フェロー、リアナ・フェファコーン氏によると、アップルは解除のため特別なコードを作成するよう命じられたことについて、違法な言論の強制に当たると主張することが可能だ。「これは修正第1条に照らして重大な懸念がある」という。
ただ、コンピュータの暗号は今やどこにでもあり、経済の基礎を成すものなので、表現の自由を盾にした主張は法廷で受け入れられにくいとみる専門家もいる。