September 10, 2014 / 11:38 PM / 5 years ago

コラム:アップル新製品、現金と財布を過去の遺産に

[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - アップル(AAPL.O)がポケットを空にし財布も不要にする新製品を発表した。新型スマートフォン(スマホ)2種だけではない。安全で使いやすそうな決済サービスを導入し、これが従来あまり日の目を見なかったアプリ、そして指紋センサー技術と組み合わさることになった。

 9月9日、米アップルがポケットを空にし財布も不要にする新製品を発表した。写真は決済サービス「アップル・ペイ」を説明するクックCEO(2014年 ロイター/Stephen Lam)

腕時計型ウエアラブル端末は一見魅力に欠けるが、自動車の鍵その他、ポケットに入ったあれこれに取って代わる潜在性を秘めている。収益率の向上という最高のご褒美が最後に待ち構えているかもしれない。

「iPhone(アイフォーン)6」、「アイフォーン6プラス」という新型スマホの名称には新鮮味がない。しかし画面の大型化、電池寿命の長期化、プロセッサーの高速化といった長所を備えている。これだけでも新規顧客を引き付け、アップルファンに買い替えを促すには十分だろう。

大ニュースは決済サービス「アップル・ペイ」の登場だ。アップルの素晴らしい技術である指紋スキャナーはこれまで、常に使い道を求めているようにみえた。そして旅客機の搭乗券やクーポンを保存できるアプリ「アップル・パスブック」も肩身の狭い思いをしてきた。しかしこの2つが組み合わされば、2プラス2が4以上の効果を生むだろう。

ユーザーは空港ターミナルでスマホをタップし、指紋スキャナーで本人確認ができる。クレジットカードはパスブックに保存されることになるが、店員はカード番号を見る代わりに決済番号とダイナミック・セキュリティー・コードを受け取るだけで済むようになる。窃盗犯によるカードの盗用が難しくなり、磁気ストライプがコピーされるのも防げるだろう。

モバイル決済はアップルに巨大な市場をもたらす潜在性を秘めている。アップルペイ導入のニュースを好感し、アップルの株式時価総額が一時約180億ドル増加したことに、そのことは表れている。これに対して「アップル・ウォッチ」への反応はずっと控え目だった。この機器はアイフォーンと連動する上、音楽再生やユーザーの身体活動測定、多様なニュースや情報の提供といった機能を備えている。もっとも「キラー・アプリ」は欠いている。

しかし今後はもっと良い知らせが待ち構えているかもしれない。アップルはほとんど付け足しのように、アップル・ウォッチをスターウッド・ホテルの鍵として使えることに言及した。これは現金と財布を過去の遺産にするというアップルの野望にぴったり当てはまる。アップルの機器にさらに多くの鍵や運転免許証、健康保険証その他を詰め込みつつ、セキュリティーも確保する技術を開発すれば、顧客の心をつかむ上で確実かつ収益性の高い方法となるのは間違いなさそうだ。

<背景となるニュース>

●アップルは9日、新型スマホ2種と「アップル・ウォッチ」、「アップル・ペイ」を発表した。

●アップル・ウォッチはユーザーのアイフォーンと連動して動き、サイズは3種類。ジャイロスコープと振動測定計を搭載し、フェースはカスタマイズが可能だ。アプリを起動させたり、アポイントを取ったり、音楽を再生したり、音声認識技術の「Siri]を使って情報を検索することもできる。価格は349ドルから。

●「iPhone(アイフォーン)6」と「アイフォーン6プラス」も発表した。画面サイズは4.7インチと5.5インチ。前機種よりカメラとプロセッサーの性能を向上させ、電池寿命も長くなった。

●アイフォーン6はメモリー16ギガバイト(GB)の機種が199ドル。アイフォーン6プラスは16GBが299ドル。19日から多くの国々で出荷され、年末までには115カ国で発売される。

●同社は「アップル・ペイ」も導入した。NFCチップと指紋センサー、端末上に保存されたクレジットカードを利用する仕組み。店員はクレジットカード番号にはアクセスできず、代わりに決済番号とダイナミック・セキュリティー・コードを受け取る。アップルによると、このシステムは約22万企業で採用されそうだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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