Reuters logo
コラム:アップル、「iPhone頼み」に差す光
2017年2月1日 / 02:27 / 10ヶ月前

コラム:アップル、「iPhone頼み」に差す光

[ニューヨーク 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アップル(AAPL.O)は、主力製品のスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」からもうけを絞り出すのが一段と難しくなっている。

 1月31日、米アップルは、主力製品のiPhoneからもうけを絞り出すのが一段と難しくなっている。それでも新型機種登場の見通しや、追加的なサービス販売ができる態勢は、投資家をアップル株につなぎ留める明るい要素と言える。写真は同社のロゴ。スイスのチューリヒで昨年11月撮影(2017年 ロイター/Arnd Wiegmann)

昨年10─12月期の販売台数は増加したが、利益は減少した。市場成熟化と技術革新の減速は、利益率の足を引っ張る要因だ。それでも新型機種登場の見通しや、追加的なサービス販売ができる態勢は、投資家をアップル株につなぎ留める明るい要素と言える。

アップルが発表した売上高の780億ドル強と利益の179億ドルという数字は驚異的である。米国広しといえども、アップルの四半期利益を年間利益でさえ上回る企業は数えるほどしかない。

とはいえアップルの行く末は、iPhoneの売上高が全収入の70%近くを占める以上、スマホと一蓮托生(いちれんたくしょう)だ。さまざまな試算によると現在世界中で使用されているスマホは250億台に達する。このため、新規顧客獲得への道のりが険しくなる一方で、同社の売上高も前年同期比で3%の増加にとどまった。

さらに技術革新の勢いは弱まりつつある。「iPhone7」はプロセッサの処理速度向上や防水機能、カメラの改良などが多くのユーザーの買い替えを後押しする理由になったが、性能の進歩は数年前に比べたらごくわずかだ。アップルは研究開発投資を拡大し、スマホに高価な機能をどんどん詰め込んでいるものの、それにふさわしい見返りを得ていない。だからこそ、売上高とiPhoneの販売が過去最高だったにもかかわらず、約3%の減益になってしまった。

アップルはその埋め合わせのため、iPhoneを別の形で利用している。アップストアにおけるアプリや、オンラインのデータストレージ、音楽のストリーミング配信、決済といったサービスの販売を強化しているのだ。同社は、現在9%となっているサービス関連事業が売上高全体に占める割合を、今後4年で2倍に膨らませたいと考えている。新型のワイヤレスヘッドフォンなど付属品の販売も進めている。

同時に取り組んでいるのがサプライヤーに対する締め付けで、クアルコム(QCOM.O)に対して保留されている10億ドルのリベートの支払いやロイヤルティの引き下げを要求する訴えを起こした。

アップルの2017年予想利益に基づく株価収益率(PER)が13.5倍と、S&P総合500種平均より25%も低い状態にあるのは、将来の展望がそれほど開けていないことが理由だ。

だが、過小評価され過ぎているかもしれない。サービス収入はこれからも伸びる。アップルの現金保有は2500億ドルに迫る水準に達している。米政府が海外利益の還流を促進するため減税すれば、投資家に恩恵が及ぶだろう。さらに平均的な顧客が使っているスマホは老朽化していく。今年後半に投入される次期iPhoneが魅惑的なら、売上高が予想外に上振れしてもおかしくない。

●背景となるニュース

*アップルが31日発表した10─12月期の売上高は784億ドルで、前年同期比3%増加した。利益は184億ドルから179億ドルに減少したが、1株当たりでは3.28ドルから3.36ドルに増えた。

*各製品の販売台数はiPhoneが7480万台から7830万台に増加した一方、iPadは19%減の1310万台。パソコンのMacは530万台から540万台に増えた。サービス関連事業の売上高は18%増の71億7000万ドル。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below