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コラム

コラム:アップル、新収益源のサービス事業に迫るリスク

 1月27日、米アップルにとって、iPhoneに代わる収益源がサービス事業であるのは間違いない。豪シドニーで2020年10月撮影(2021年 ロイター/Loren Elliott)

[ニューヨーク 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アップルにとって、iPhoneに代わる収益源がサービス事業であるのは間違いない。10-12月期にはクラウドストレージ料金やアプリストア「App Store」からの収入などに基づく売上高が160億ドル近くに達した。

故スティーブ・ジョブズ氏が生み出したiPhoneは、アップルが当時で史上初の時価総額1兆ドル企業へと成長する道を切り開いてくれた。そして後を継いだティム・クック最高経営責任者(CEO)率いる同社が27日に発表した10-12月期売上高は、前年同期比で21%増加。これはサービス売上高が24%伸びたことも寄与している。もちろんiPhoneの需要を年末商戦期の好調や第5世代(5G)移動通信システム対応型の投入、中国での販売絶好調が押し上げた面もなお大きい。

しかし、今のアップルの戦略は、格好が良くて革新的な新しい機器を世に出すのではなく、定額料金制度で消費者をつなぎ留めることだ。これは「金のなる木」をうまく生かし続ける適切な手法と言える。調査会社トレフィスが示唆して見せたように、サービス売上高の通期伸び率を前年度比11%と、現状よりペースダウンする形にしてみよう。iPhoneの販売台数の伸びについては、前四半期より低いが近年の通期伸び率より高い5%と仮定する。粗利益率をサービスが約66%、iPhoneが30%強とすると、2024年までにサービス事業のグロスベースの利益はiPhoneを上回る可能性がある。

ただ残念ながら、米議会はApp Storeでのアップルの優越的地位を問題視している。音楽配信のスポティファイ・テクノロジーズや人気ゲーム「フォートナイト」を制作するエピック・ゲームズなどからも、App Storeの高額な手数料を何とかしてほしいとの声が高まっている。アップルがiPhoneの検索エンジンをグーグルに初期設定する見返りにグーグルから支払いを受けていることを巡っては、司法省などが反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴している。

今や共和党か民主党か関係なく巨大IT企業への不満が政界に渦巻いている以上、大統領がバイデン氏に代わり、議会で民主党が優位に立ったからといって、それがアップルに利することは決してない。アップルにとってサービス事業は、新たな「金の卵を生むガチョウ」かもしれないが、その羽根がむしり取られてしまう恐れもある。

●背景となるニュース

*アップルが27日発表した第1・四半期決算(12月26日まで)は、売上高が前年同期比21%増の1114億ドルだった。利益は前年同期の222億ドル(1株当たり1.25ドル)から288億ドル(1.68ドル)に増加した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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