January 27, 2016 / 2:49 AM / 4 years ago

コラム:米アップル、モデル端境期の苦難乗り切れるか

[ニューヨーク 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米アップル(AAPL.O)の2015年10─12月期決算は、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」販売を始めた2007年以降で最悪かもしれないが、ほとんどの企業にとってはうらやましい内容だろう。

 1月26日、米アップルのクックCEOは、モデルサイクルの端境期がもたらす一時的な苦戦状態に陥ったのではないだろうか。写真は同社のiPhone最新機種の「6S」と「6Sプラス」。カリフォルニア州で昨年9月撮影(2016年 ロイター/Beck Diefenbach)

確かに10─12月はアイフォーンの需要が伸び悩んだため、売上高はほぼ横ばいにとどまった。しかし前年同期と比べれば、ドル高にもかかわらず売上高はやや増加した。利益率は40%を上回り、利益は184億ドルと過去最高に達した。だがそうであっても、クック最高経営責任者(CEO)は、モデルサイクルの端境期がもたらす一時的な苦戦状態に陥ったのではないだろうか。

アイフォーン最新機種の「6S」と「6Sプラス」は、前機種をほんの少し改良しただけで、それがこれまでほどの大幅な販売の伸びを確保できなかった一因だ。アップルによると、アイフォーンの販売台数は今年1─3月に実質的に減る見通しで、これは初めての現象になる。売上高に占めるアイフォーンの割合が65%強で、利益における割合はもっと高い点からすれば、アップルにとっては痛手になる。

過去の例から見れば、アップルがもっと大掛かりな改良を加えた新型アイフォーンを登場させるのはこの秋になるはずだ。だからなおしばらくの間、投資家はアップルが市場での優位性を失っているという可能性を懸念したり、もっと悪いケースではスマホ市場が飽和状態に近づいているのではないかと気をもむことになる。結局のところ、IDCによると15年中の販売台数は10%しか伸びていない。

市場が飽和化する日はいつかは訪れるだろうが、アップルにとって問題はそれではないことが幾つかの指標から分かる。飽和市場では競争が激しくなるものの、アップルが製品値下げの必要性を感じている兆しは見当たらない。中国では景気減速の中でも売上高は14%増加しており、インドやアフリカは比較的未開拓のままだ。アイフォーンにすべての関心が向けられているが、アップルの製品はそれだけでもない。

今後数四半期は、アップル製品でわくわくする気持ちにはなりにくく、それに伴って売上高の伸びも振るわないだろう。

ただ、投資家はこうした痛みをそれほど感じなくても済む。アップルは手元に2160億ドルのキャッシュを抱えており、自社株買いや配当を増やす余地が十分にある。さらにアップルの予想利益に基づく株価収益率(PER)はこれらのキャッシュを含めても約10倍と、一般的なS&P総合500種企業の3分の1程度にすぎない。たとえ業績の成長スピードが鈍るとしても、このPERは過度に割安な状態と言える。

●背景となるニュース

*アップルが26日発表した第1・四半期(12月26日まで)決算は売上高が759億ドルと前年同期比2%増加した。利益は184億ドル(1株当たり3.28ドル)で、前年同期は180億ドル(3.06ドル)だった。

*アイフォーンの販売台数は7480万台、前年同期は7450万台。タブレット端末「iPad(アイパッド)」の販売台数は25%減の1610万台、パソコンのMACシリーズは4%減の530万台だった。

*アップルの決算発表は以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

apple.co/1nmds0O

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below