August 13, 2014 / 12:12 AM / 5 years ago

4─6月GDP年率6.8%の大幅減、景気認識は変わらず

[東京 13日 ロイター] - 4―6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス1.7%、年率換算マイナス6.8%となり、東日本大震災のあった2011年1─3月期(前期比マイナス1.8%、年率換算マイナス6.9%)以来の大幅な落ち込みとなった。

 8月13日、内閣府が発表した2014年4─6月期国民所得統計1次速報によると、 実質GDPは前期比マイナス1.7%、 年率換算マイナス6.8%となった。写真は2010年5月、都内の港湾施設で撮影(2014年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

消費増税に伴う駆け込み需要の反動が大きかったほか、輸出の回復が鈍く、内需の落ち込みを補うことができなかった。ただ、政府は景気認識を変えておらず、直ちに対応が必要とはみていない。

<駆け込み反動減の深い谷、97年増税時より大きい落ち込み>

4─6月期のGDPはロイターの事前予測調査である年率マイナス7.1%をやや上回る水準で、おおむね予想の範囲内の結果となった。前回の消費増税時の1997年4─6月期(前期比マイナス0.9%、年率換算マイナス3.5%)と比べると落ち込みは大きく、1─3月の年率6.1%の高成長から6.8%のマイナスに転じるなど、反動減がやや大きくなった。消費税率引き上げを境に、「山高く谷深し」という状況が明らかになった。

消費の落ち込みは前期比マイナス5.0%となり、予測のマイナス4.3%と比較すると大きくなった。前回増税時の97年4─6月期(同マイナス3.5%)を上回り、現行基準で1994年以降最大の落ち込みとなった。マイナスは7四半期ぶり。反動減は耐久消費財の駆け込み需要が大きかったことが主因。自動車はもともとエコカー減税などで需要を先食いしていたことに加えて、新車販売が駆け込み時期と重なって販売増となっていたことなどもある。家電製品・自動車・パソコンなどの耐久財や日用品・衣服・ガソリンなどが減少に寄与した。

そのほかの民間需要項目も、反動減で悪化。設備投資は前期比マイナス2.5%で、1─3月期の7.7%成長から一転して落ち込んだ。5四半期ぶりのマイナスとなり増加傾向が途絶えた。パソコンのウィンドウズXPサポート終了に伴う駆け込み需要の反動の影響が大きかった。住宅投資も9四半期ぶりにマイナスに転じた。昨年9月で駆け込み需要が終了し、資材高・職人不足もあり前期比マイナス10.3%となった。

こうした大幅な落ち込みについて内閣府幹部は「実質所得の減少は否めない。今後注視していかねばならない」として、反動減だけが原因なのか、所得の減少に伴う需要の減退も影響してくるのか、慎重に見極める姿勢を示している。

一方、甘利明経済財政相は「1─6月で平均してみると、前年同期を上回っている」と指摘。「月次指標をみても景気は緩やかな回復基調が続いており、これまで政府が示してきた景気認識に変わりはない」とコメント。先行きについても、「具体的な数字は断定できないが、明るいイメージを持っている」との認識を示した。

 <輸出で内需カバーできず、シナリオ狂う>

4─6月の外需の寄与度は、駆け込み需要が終わったことで輸入の減少が押し上げ要因となりプラス1.1%となった。外需寄与度がプラスとなるのは4四半期ぶり。ただ、輸出の減少が響いて内需の落ち込みをカバーできなかった。内需寄与度は7四半期ぶりにマイナスに転じた。

輸出は、電子通信機器の減少が響き3四半期ぶり減少した。輸入も6四半期ぶりに大幅減少。原油・天然ガス・石油製品・携帯電話機器や集積回路などの電子通信機器が減少に寄与した。

米国を中心とする海外経済の立ち直りにより輸出が景気を下支えするというシナリオは、最近まで政府・日銀、民間調査機関の間でも共有されており、輸出の伸びで外需の寄与は大きくなるとみられていた。しかし、4─6月の実質輸出(日銀発表)は2四半期連続で減少。結局、GDPベースでの輸出も前期比マイナス0.4%となった。

甘利経済財政相は「生産能力の海外移転があり、海外設備が増えている」と分析。「国内の設備投資環境を整えることが重要な要素になってくる」と指摘した。さらに外需を増やすという意味で、需要地としてのアジアのパイを大きくするため、経済連携が大事との見方を示した。

<現時点で補正の必要性感じてない、必要なら政府・日銀で対応>

甘利経済財政相は、今回のGDPの落ち込みが10%への消費増税判断に与える影響に関して「消費税判断は今後7─9月の状況を含め、できる限り経済指標、雇用統計などの資料を揃え、最終的に首相が判断する」と述べた。さらに「7─9月の(GDPの)数字がどれくらいなら(引き上げるか)、というのは首相が判断する。高ければ高いほうがいい」とした。

さらに、甘利担当相は今回のGDPの落ち込みに補正予算などで対応するかどうかについて「現時点でその必要性を感じていない」とする一方、必要なら政府・日銀で対応していくとの姿勢を示した。

(中川泉 吉川裕子 山口貴也 石田仁志 編集:田中志保)

*内容を追加します。

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