December 21, 2018 / 9:01 AM / a month ago

焦点:アジア中銀、2019年は「利上げする理由」見当たらず

[香港 20日 ロイター] - アジアでは経済成長の鈍化や物価上昇圧力の弱さから、各国の中央銀行が来年利上げに動く理由は乏しい。まして米国の利上げペースが緩みそうなので、別の要因で新たな通貨安が起きない限りは、引き締めはなおさら現実味が薄い。

 12月20日、アジアでは経済成長の鈍化や物価上昇圧力の弱さから、各国の中央銀行が来年利上げに動く理由は乏しい。写真は都内で10月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

米連邦準備理事会(FRB)は19日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で今年4回目の利上げを決めたが、来年の利上げ想定回数は以前よりも減らした。

アジア新興国の通貨にとって米金融政策見通しは主要な材料であり、FRBの利上げが少なくなれば、インドネシアやフィリピン、インドなどの通貨は下げ圧力が和らぐ。これらの国の中銀は今年、資金流出や物価抑制のために繰り返し、利上げを強いられたのだ。

20日には日本、インドネシア、台湾の中銀が政策の現状維持を決定。中国も、19日に市中銀行向け貸出金利の引き下げは発表したが、政策金利は変更していない。

ANZのアジアストラテジスト、アイリーン・チャン氏は「来年のアジアに関するわれわれの予想は、FRBがよりハト派化するということを前提としており、金融引き締め圧力はずっと小さくなる」と述べた。

アジアの中銀がしばらく金融引き締めを休めば、地域の債券への資金流入加速を促し、規模が小さく利益率の低い域内企業が資金調達面である程度安心感を持てるだろう。

為替リスクの落ち着きを別にしても、アジアの中銀は利上げすべきだという根拠はほぼ見出せない。

国際通貨基金(IMF)は、アジアの来年の成長率は今年見込みの5.6%から5.4%に減速すると予想しているものの、18日にIMFのアジア太平洋局長はロイターに対して、来年1月時点でさらに下方修正する可能性があると語った。

エコノミストの見立てでは、米中摩擦が再び激化して来年から輸入関税が引き上げられた場合、中国の来年の成長率は1%ポイント下振れしかねない。他のアジア諸国も、中国向け貿易・投資への依存度の高さからすると、同じような打撃を受けてもおかしくない。

成長見通しの悪化は物価を下押すことになり、やはり利上げの妥当性を低下させている。

元来、今年のアジア地域の消費者物価指数(CPI)は、6─7月に通貨が急落し、年初から10月までに原油が約4割上がった中でも、驚くほど安定していた。アジア主要国で今年CPIが加速したのはフィリピンしかない。11月の同国のCPIは前年比6%だった。ただ来年にかけては上昇が鈍化するとの見方が大勢だ。

HSBCのアジア経済調査共同責任者フレデリック・ノイマン氏は「今年はアジアのほとんどで、物価の落ち着きが目立ち、通貨安や一時的な原油高騰にほとんど反応しなかった」と指摘した。

その上で「各中銀は一段の引き締めには慎重になる必要がある。どちらかと言えば、一部では金融緩和が求められるのではないか。中国がその一例だが、来年中に為替レートが過度に変動するリスクが後退すれば、候補はもっと増えるだろう」とみている。

(Marius Zaharia記者)

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