February 14, 2018 / 3:57 AM / 3 months ago

アングル:債券利回り上昇、アジア通貨のキャリートレード圧迫

[13日 ロイター] - 債券利回りはここ何年かで初めて世界中で一斉に上昇し、今後株式や通貨のボラティリティは数年来の高水準に達する見通しだ。このため投資家は、リターンの高い新興国資産の保有コストを改めて考えざるを得なくなっており、特にインドネシアやインドなどが見直しの対象になっている。

 2月13日、債券利回りはここ何年かで初めて世界中で一斉に上昇し、今後株式や通貨のボラティリティは数年来の高水準に達する見通しだ。写真はインドネシアのルピー紙幣。2017年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

利回りが上がったのは、米国のインフレ懸念に伴う連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速観測台頭に加え、欧州や日本でも大規模緩和の縮小予想が強まっていることが理由だ。

米10年国債利回りUS10YT=RRは12日に4年ぶり高水準となる2.9%まで跳ね上がり、年初来では約50ベーシスポイント(bp)上昇した。

とりわけリスクにさらされているのは、調達コストの安いドルや円を借りて高利回りの新興国株・債券に投資する「キャリートレード」だ。みずほ銀行のFXストラテジスト、チャン・ウェイ・リアン氏は「利回り上昇自体は必ずしも悪いことではない。しかし短期間の急激な上昇が起きれば、キャリートレードにはかなりの逆風になる」と話した。

2月に入って既にこれまでに、外国人投資家はおよそ83億ドル相当のアジア株を売却したことが、証券取引所のデータで判明している。またインドネシア財務省のデータによると、外国人投資家は今月、同国債を5億6600万ドル売り越した。

メイバンクはリポートで「ボラティリティーの増大と米国債利回り上昇によって、インドネシアルピアのキャリートレードの魅力が薄れ、外国人のインドネシア資産取引に影響を及ぼした」と指摘している。

当面の米国株のボラティリティーを探る指標となるCBOEボラティリティー・インデックス(VIX)は先週2年半ぶりの高水準となる50.30を記録した。

オプション価格に由来する予想変動率は、目先のアジア通貨の値動きが激しくなる公算が大きいことを示している。例えばドル/ルピアの1カ月物予想変動率IDRVOLは年初から200bp近く高まって5.7%を付けており、ドル/インドルピーの予想変動率も同じ期間に100bp超上がって5.2%になった。

ボラティリティー調整後のリターンを計測するための「シャープレシオ」をロイターが計算したところでは、ルピー、ルピア、韓国ウォンはいずれも今年になってマイナスに転落した。昨年は3通貨ともにプラス3%を上回っていた。

ルピアとルピーは、アジア地域で債券利回りが最も高い部類であることから、キャリートレードの対象として人気が高い。

OANDA(オアンダ)のアジア太平洋トレーディング責任者スティーブン・イネス氏は、ユーロないし円を調達して行うキャリートレードは今の環境でリスクがより大きいと警告した。

イネス氏は「目下のところ、キャリートレードで何かをするには市場があまりにも不安定化している。それでも自分が今キャリートレードを考えるとすれば、ドルを使う。なぜならドルは他通貨よりも流動性が高いからだ」と説明した。

(Patturaja Murugaboopathy、Gaurav Dogra記者)

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