March 29, 2019 / 6:02 AM / in 22 days

焦点:アジアに広がる利下げ余地 FRBの動きや世界減速で

[ソウル/香港 27日 ロイター] - 世界経済の減速や米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルを突然停止したことを受け、アジア太平洋地域で利下げに動く中央銀行が増えるのではないか、との見方が市場に広がってきた。

3月27日、世界経済の減速や米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルを突然停止したことを受け、アジア太平洋地域で利下げに動く中央銀行が増えるのではないか、との見方が市場に広がってきた。写真は各国紙幣。2016年1月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

そうした事態を最も明確にしたのがニュージーランド準備銀行(中央銀行)で、27日に政策金利を過去最低の1.75%に据え置いたものの、海外経済の低調さを背景に次の一手が利下げになる公算が大きいとの見解を示した。

短期金融市場はオーストラリアについて年内の利下げ確率が高いと見込んでいるし、フィリピン、インド、インドネシアといった国も昨年通貨防衛のために行ってきた利上げをある程度巻き戻す余地がある、とエコノミストは話す。

マレーシアは物価上昇率がマイナスに転じたことから、利下げを求める声が強まりつつあり、日銀でも一部の政策委員が追加緩和を議論している。

さらに利下げの新たな候補として韓国が浮上してきた。韓国国債のイールドカーブは急速にフラット化しており、市場が景気の弱さを認識し、韓国銀行(中央銀行)が対応に乗り出すと考えていることが分かる。

中国人民銀行(中央銀行)はこれまで銀行準備率引き下げが主な政策手段とみなされてきたが、一部の専門家は今後政策金利の下げもあると予想する。

ANZのエコノミストチームは27日付の四半期ノートで「成長・物価情勢の変化にFRBの利下げサイクル停止が重なり、アジア諸国全般で金融政策の大きな修正が必要になっている。われわれはこの地域の全ての中銀が、政策金利を据え置くか、緩和的な姿勢になると見込んでいる」と述べた。

この情勢変化は驚くほどだ。アジアの貿易赤字国でどこまで金利を上がるのかと話題になったり、日銀が異例の緩和政策の出口を検討していたのはつい昨年のことだった。

もっとも様変わりは、FRBの動きだけで起きたのではない。中国で、対米貿易摩擦や国内の金融リスク抑制のためのいくつかの措置が、想定以上にアジアの成長エンジンである同国の経済を圧迫したのだ。

アジアのほとんどの国では物価上昇率が中銀の目標圏を下回るか、下限で推移している面もある。

<フラット化の意味>

アジアにおける利下げ観測は、米国経済の先行きに不吉な兆候が出てきたのと軌を一にして高まった。

米国の10年国債と3カ月物財務省短期証券の利回りは22日、2007年半ば以降で初めて逆転。こうした逆イールドは、過去50年にわたって必ず景気後退(リセッション)を呼び込んできた。

各中央銀行がインフレを心配していない点などからすると、今回は事情が違うのかもしれない。

それでも投資家や政策担当者は警戒を続けている。ジャネット・イエレン前FRB議長は25日、逆イールドはリセッションの前兆ではない可能性はあるが、場合によっては利下げの必要性を示唆しているのではないかと語った。

この理屈を全般的にイールドカーブのフラット化が進むアジアに当てはめれば、利下げ予備軍のリストはどんどん長くなっていく。

韓国の2─10年国債利回りスプレッドは今週、一時日本よりもフラット化。韓国の住宅市場は昨年、世界有数の過熱が見られたとはいえ、当局の引き締め策を受けて足元では勢いが弱まっており、住宅バブルの懸念が後退したことで、中銀にある程度緩和余地が生まれている。

大信証券の債券アナリスト、Kong Dong-rak氏は「現在は予想される利下げ時期を前倒しする方向で見直している」と述べた。

(Cynthia Kim、Marius Zaharia記者)

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