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コラム

コラム:傷だらけの米中関係、緩やかながらも確実に後退か

 8月5日、中国政府は、ペロシ米下院議長の台湾訪問に抗議し、米国との軍のハイレベル対話や気候分野の協議など8項目の停止を発表した。米中関係崩壊の最終段階を象徴する出来事となってもおかしくない。写真は両国の国旗。2012年、北京で代表撮影(2022年 ロイター)

[香港 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国政府は5日、ペロシ米下院議長の台湾訪問に抗議し、米国との軍のハイレベル対話や気候分野の協議など8項目の停止を発表した。米中関係崩壊の最終段階を象徴する出来事となってもおかしくない。

こうした分野の協力は、そもそも最小限にとどまっていたため、目先、大きな変化はないだろう。米国の交渉担当者の中には安堵している人さえいるかもしれない。

人民解放軍は週末にかけて台湾海峡で軍事演習を実施したが、全面封鎖や侵攻には踏み切っていない。台湾産の食品などを輸入禁止としたが、これまのところ、日韓製品の不買運動のような激しい報復措置を米国には講じていない。

中国経済の低迷に加え、ワシントンの対中タカ派が中国経済のデカップリング(切り離し)を主張していることもあり、最大の投資国である米国を刺激することには慎重になるはずだ。ロジウム・グループの推計によると、米国の対中直接投資残高は2020年時点で1240億ドル、対中証券投資残高は1兆2000億ドル近くに達する。

とは言え、スターバックスやフォードといった米国企業が完全に安泰というわけではない。習近平国家主席が指揮する中国の官僚機構は、就労ビザの発給制限、税関での足止め、立ち入り検査、裁判所命令、幹部の拘束などを通じて、米国企業の事業コストを引き上げることが可能だ。

また、中国は米国からの輸入を拡大するという米中通商合意を履行しておらず、貿易不均衡の解消に動く可能性はさらに低い。これは特に米国の農業にとっては厄介だ。米中の通商関係は、緩やかながらも恐らく確実に衰退するだろう。

●背景となるニュース

*中国外務省は5日、軍上層部の対話を含む広範な分野で米国との協力を停止すると発表した。気候変動問題の協議、国境を越えた犯罪防止や不法移民の送還に関する協力など、8分野が対象。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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