February 2, 2019 / 3:21 AM / 3 months ago

アングル:アジアで膨らむIT人材需要、タイ求人サイトに脚光

[バンコク 28日 ロイター] - アプリ開発者のSattha Puangputさん(30)が、勤めていたスタートアップ企業からの転職を考えたときにしたことは、技術系の人と企業を結ぶ求人サイト「Getlinks」に登録している自身のプロフィールの更新だった。

 1月28日、アジアではIT系人材に対する需要が爆発的に高まっており、特定のスキルを持つ求職者と企業を結ぶタイの求人サイト「Getlinks」が脚光を浴びている。写真は同社のロゴ。バンコクで昨年11月撮影(2019年 ロイター/Chayut Setboonsarng)

その後、数日内に数社から面接の連絡が入り、最終的にスーパーマーケット大手のテスコ・ロータスTESCO.Lのオファーを受け入れた。同社で、JAVAをベースにしたプログラミング言語「コトリン」を使ってアンドロイド向けソフトの開発を行う。コトリンを使用することで、簡潔かつ効率的なプログラミングが可能となる。

新たな言語とプログラミングのツールに関する知識は、ソフト開発の速度を速め、開発者同士も連携しやすい。

Getlinksが他社と違うのは、アジアで急成長する新興テクノロジー企業や、社内の採用担当者が見つけられない技術系人材を求めている従来型企業のニーズに応じて、アプリ開発のほか、フラッターやドッカーなどのプログラミング言語といった特定のITスキルを持った人材をマッチすることに特化していることだと利用者は言う。

中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(BABA.K)、タイの複合企業最大手サイアム・セメント・グループ(SCC.BK)、オーストラリアのネット求人広告大手シーク・グループ(SEK.AX)は、バンコクに拠点を置くGetlinksの資金調達ラウンドに昨年参加。Getlinksは米ドルにして「8桁」の額に上る資金を調達できたと、同社の共同創業者でフランス生まれのDjoann Fal氏(26)は明らかにした。

これにより、Getlinksはインドネシア、マレーシア、中国の深セン、そして台湾に現地オフィスを構えることができると同氏は言う。

前出のPuangputさんは、他の求人サイトもいくつか見てみたが、自身がもつ特定のスキルを求める企業は見つけられなかったと話す。

「普通、職探しには時間がかかるが、Getlinksには驚いた。オファーが速い。良い機会がたくさんあった」とPuangputさんは語った。

Fal氏によると、創業3年のGetlinksでは、中国のインターネット大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)やタイのサイアム商業銀行、インドネシアのオンライン旅行大手トラベロカなどの企業と、1000人超の人材を引き合わせている。

Getlinksは企業と求職者をマッチングする「良いモデル」だが、経験豊富な幹部を採用しようとする場合には課題に直面する可能性があると、英人材紹介大手ロバート・ウォルターズでタイのディレクターを務めるPunyanuch Sirisawadwattana氏は指摘する。

交渉といった「ソフトスキル」を要する給料のようなデリケートな問題の解決において、間に立つ人がいなければ、企業は良い候補者を失いかねず、こうしたことはテクノロジーではすぐに対処できないと、同氏は語った。

<従来型企業>

とはいえ、ITスキルに対するアジアでの爆発的需要は、Getlinksには追い風となるはずだとFal氏は言う。「要するに、欧州で起きたデジタル革命が、今ここで起きているということだ」

中国テクノロジー大手や、シンガポールの配車サービス大手グラブやインドネシアの同ゴジェックなど東南アジアのスタートアップ企業は、デジタル決済や電子商取引の分野で積極的に拡大し続けており、プログラマーやデザイナー、デジタルマーケターの需要を押し上げている。

東南アジアのインターネット経済は2025年までに2400億ドル(約26兆円)に達すると、米アルファベット傘下のグーグルとシンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングスが昨年11月に発表した調査は予想。モバイルによるコネクティビティーの増加により、2016年調査の試算よりも25%増えている。

テンセントが支援し、ゲーム出版事業で最も知られているシンガポールのシー(SE.N)も採用活動にGetlinksを利用している。

「このシステムの良いところは、候補者のプロフィールを閲覧でき、直接コンタクトを取れることだ」と、シー・タイ法人の採用責任者であるAnyarin Teerachawansith氏は話す。

同社はGetlinksを通じて、複数スキルを有する開発者や検索エンジン最適化(SEO)専門家など10人以上をタイ事業で採用している。だが、同氏によると、ほとんどは独自のネットワークや紹介制度、ヘッドハント会社から採用しているという。

Getlinksは企業に対し、候補者の初年度給与額の15%、あるいは月極利用料を請求する。利用料は1カ月あたり採用2件の場合は1000ドル、無制限なら1万ドルと幅がある。

デジタル化を急ぐ従来型の企業はGetlinksを有用だと考えていると、Fal氏は言う。

そのような企業にタイ最大の複合企業サイアム・セメント・グループがある。同社は2017年、デジタル化に着手した。

「わが社はデジタル市場に参入したかった」と、同社のデジタル改革担当者ジョシュア・パス氏はロイターに語った。

 1月28日、アジアではIT系人材に対する需要が爆発的に高まっており、特定のスキルを持つ求職者と企業を結ぶタイの求人サイト「Getlinks」が脚光を浴びている。写真は同社の共同創業者でCEOのDjoann Fal氏。バンコクで昨年11月撮影(2019年 ロイター/Chayut Setboonsarng)

同氏によると、社内の採用部門を通じて人材を雇用したが、同時にGetlinksから技術担当責任者を採用したという。これまで同社はGetlinksに20以上の求人を掲載した。

商業的なパートナーシップがうまくいったため、100年続く同社のベンチャー部門はGetlinksに投資した。同部門も率いるパス氏はその理由について、人材探しは「ネック」であり、需要は伸びていると語った。

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

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