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コラム

コラム:陰りが見えたNFT人気、低金利時代のあだ花か

 ブロックチェーン技術を駆使してデジタル作品の所有権を提供する「非代替性トークン(NFT)」は、近年の投資ブームに陰りが見えている。写真は2021年9月30日、中国・香港で開催されたデジタルアートフェアで撮影(2022年 ロイター/Tyrone Siu)

[ロンドン 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ブロックチェーン技術を駆使してデジタル作品の所有権を提供する「非代替性トークン(NFT)」は、近年の投資ブームに陰りが見えている。提唱者たちには残念な形ながら、この資産クラスはパフォーマンス面で不安な兆候をのぞかせ、取引が落ち込んでいるのだ。

控えめに言っても、NFTは今年ずっと試練に耐え続けてきた。市場調査会社クリプトスラムによると、今年1月のNFT取引高は48億ドルを記録したものの、10月時点では5億ドル弱と9割近くも減少している。

もっともNFT市場は暗号資産(仮想通貨)と複雑に絡み合い、暗号資産市場も同じように一気に収縮した点を踏まえれば、NFTが苦境に陥ったことには何の不思議もない。ほとんどのNFTは仮想通貨「イーサ」で売買され、これらの売買の正当性を保証するのはブロックチェーン・プラットフォームの「イーサリアム」となる。そのイーサは今年に入って価格が急落。1年前に3兆ドル近くだった全ての仮想通貨の時価総額も、足元は1兆ドル前後にとどまっている。

NFTの専門家たちは、まだ今後市場が発展する余地があると楽観視している。メタ・プラットフォームズのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がインターネット上の仮想空間「メタバース」において描く構想の中で、NFTは重要な役割を担ってもおかしくない。例えばメタバースで人々が所有するデジタル資産を本物と認定する手段として使われる可能性がある。ただメタが最近さまざまな逆風に直面している点からすると、投資家はメタバースという壮大な実験について結果が出るまで待てなくなっているように思われる。

もう一筋の希望の光は、ラコステなどのブランド企業の間でNFTへの興味が持続している状況だ。それでもラコステが展開を始めたNFTの「UÑDW3」は、同社の象徴となっているワニが水面に顔を出した独特の画像を販売することで、熱狂的なデジタル資産収集家に訴えかけるという意味では、既に存在する同じような手法の焼き直しに過ぎない。

結局のところNFTは、もはや過去の時代となりつつある低金利局面で魅力があった他の「ニッチ資産」と変わらない問題を抱えている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は既に何度も利上げを実施し、さらに政策金利を引き上げようとしている。そのため市場の余剰資金が減少し、金利を生まない資産は特別なセールスポイントが必要になってきたのだが、NFTにそれがあるかどうかは定かではない。

●背景となるニュース

*市場調査会社クリプトスラムによると、今年1月のNFT取引高は48億ドルだったが、10月時点では90%減って4億6000万ドルとなった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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