[シドニー 21日 ロイター] - 中国の綿花買付業者が、非公式の輸入禁止令解除を見込んで豪州産品の買い入れを加速している。昨年11月の首脳会談を経て中豪関係改善が進む中、一層の貿易正常化期待が高まっている。
かつて豪州産綿花の最大輸出市場だった中国は、対豪関係悪化に伴い2020年終盤に9億豪ドル(6億2028万ドル)規模の貿易を停止。公式・非公式に一連のコモディティー(商品)規制を導入したことを受けた。
ある貿易業者によると、豪州産綿花は数カ月前から中国に流入しており、少量がすでに通関。中国税関データによると、22年には2万トンを輸入した。19年は40万トン規模だった。
中国国有大手である中華綿花集団有限公司(CNCGC)の豪州子会社担当者はロイターに対し、青島の保税倉庫などに豪州産綿花を輸出していると明らかにした。
非公式の禁止令が解除されれば、綿花を中国国内市場に販売することができると指摘。解除されなければ再輸出に回せるとしつつ、「関係が改善され、解禁されることを期待している」と述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」