[シドニー 16日 ロイター] - 豪連邦統計局が16日発表した5月の雇用統計は就業者数が力強い回復を見せ、失業率は約50年ぶり低水準を維持した。
就業者数は前月比6万0600人増加し、市場予想の2万5000人増を大きく上回った。4月は4000人増にとどまっていた。年初来では38万6100人増となった。
失業率は市場予想が3.8%への低下だったのに対し、4月と同じ3.9%を維持。労働参加率が過去最高の66.7%に予想外に上昇したことが影響した。
また、労働時間が希望より短いなど労働条件が悪い不完全雇用の比率は2008年以来の低水準となり、労働市場が引き締まっていることが示され、徐々に賃金が上昇すると期待される。
失業率と不完全雇用の比率を合わせた未活用労働率は1982年以来最低の9.6%に低下した。
労働市場はここ数カ月で最も好調な経済セクターの一つとなっており、豪中銀が今月、政策金利を50ベーシスポイント引き上げるのに十分な自信を持った主因にもなった。
中銀のロウ総裁も今週、珍しくテレビに出演し、低い失業率の重要性を強調。このため市場では、7月、8月、9月にさらに0.5%ポイントの利上げが行われるとの観測が広がり、年末までに政策金利は3.5%に達する見通しだ。
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