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焦点:豪中銀、金融引き締めで世界に後れ取る公算

[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリアは新型コロナウイルス危機への対応に成功した国の1つに挙げられ、景気はコロナによる落ち込みを乗り越え、勢いよく回復するが、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は金融引き締めで世界に後れを取る公算が大きい。

 オーストラリアは新型コロナウイルス危機への対応に成功した国の1つに挙げられ、景気はコロナによる落ち込みを乗り越え、勢いよく回復するが、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は金融引き締めで世界に後れを取る公算が大きい。写真はシドニーの同行前で2015年11月撮影(2021年 ロイター/Jason Reed)

同国の求人数は12年半ぶりの高水準を付け、コロナ前比では約50%多く、失業率は既にコロナ前の水準に近い。消費者支出と住宅価格は急上昇し、消費者信頼感と企業景況感は上向いている。昨年終盤以降、新型コロナの市中感染者がほぼゼロに抑えられている状況を反映している。

しかし、賃金伸び率とインフレ率は過去最低水準にあり、中銀の目標を大幅に下回っている。

HSBCのエコノミスト、ポール・ブロクサム氏は「インフレ率は米国、カナダ、英国、ニュージーランド(NZ)などの比較可能な国々に比べて、目標の未達幅が際立って大きい」と指摘した。

中銀は基調的インフレが2─3%の目標レンジの中央値に収まることを望むとしてきた。1─3月期のデータによると、基調的インフレ率は1.1%と、目標を約1.4%ポイント下回った。

一方、米国、カナダ、NZの中銀が注目する主要インフレ指標は軒並み、目標から0.20%ポイント未満の水準に達している。

ブロクサム氏は「RBAは明らかに、インフレ目標への回帰にもっぱら注力しているとわれわれは認識している。経済の熱を高めるために、極めて緩和的な金融政策を当面は続けると見込む」とした。

中銀のロウ総裁は金融引き締めを検討するための条件である高インフレと低失業率は、2024年より前に実現する可能性は低いとみている。

経済活動が活発化しているにもかかわらず、国内の労働市場には、かなりの余剰が残っており、賃金の伸びは低いままだ。企業はまだコスト高を消費者に転嫁するのをためらっている。

中銀は、賃金上昇率が現在の1.5%から3%を上回る水準に上昇するまで、金利を変更する可能性は低い。

対照的に、カナダ中銀は先月、国債買い入れの目標額を引き下げた。英中銀(イングランド銀行)も今月、週間の国債買い入れ規模の縮小を決定。主要7カ国(G7)でパンデミックを受けた緊急緩和措置からの緩やかな出口戦略を開始したのは同2国が初めてだった。

また、米連邦準備理事会(FRB)が先週公表した4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、景気回復が急速なペースで継続していることを踏まえ、一部メンバーが資産買い入れペースの調整を巡る討議を開始することが適切になる可能性があると指摘したことが明らかになった。

オーストラリアの隣国であるNZ中銀も近い将来に引き締めを開始する可能性が高く、アナリストは2022年下期の利上げを予想している。

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