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豪下院、IT企業に暗号化データの提供義務付ける法案を可決

[シドニー 6日 ロイター] - 豪議会下院は6日、米アルファベットGOOGL.O傘下のグーグルやフェイスブックFB.O、アマゾン・ドット・コムAMZN.O、アップルAAPL.Oといったテクノロジー企業に対し、違法行為への関与が疑われる暗号化されたデータを警察に提供するよう義務付ける法案を可決した。

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同法案は企業が個人データの提供を怠った場合、最大1000万豪ドル(730万米ドル)の罰金を科す内容。他国でも同様の規則を検討する動きが出ており、同法案が試金石になるとしてテクノロジー企業は強く反発している。

政府は、テロや組織犯罪への対策にこうした法律が必要だと説明している。

今週の早い段階では、最大野党・労働党を含む主要政党から議会通過に必要な賛成票を確保できるとみられていたが、労働党はこの日、同法案が個人情報の安全性を損ね、将来的な米当局との情報共有に悪影響が及ぼす可能性について懸念を示した。

同党のマーク・ドレイフス議員は、労働党は下院で同法案を支持したものの、安全性などの問題などについて政府と協議を続けており、上院でも議論すると述べた。

ただ、議会の会期は6日までで、再開は来年2月となるため、法案が何カ月も成立しない事態となる可能性もある。 

モリソン首相は記者団に「法案可決のために戦う」と表明。「警察がテロリストを阻止するために必要な権限を得られるようにしたい」と強調した。

フェイスブックの広報担当は直接コメントせず、同社やアップル、グーグル、アマゾンなどが加盟している業界団体デジタルインダストリー・グループ(DIGI)の声明を参照するよう求めた。

DIGIは「この法案では複数の重要問題が未対応のままとなっている。最も重要なのは、システミックな脆弱性をもたらす見込みがあるということで、これは豪国民のデータの安全性をリスクにさらす可能性がある」と警告した。

*内容を追加しました。

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