[オーランド(米フロリダ州) 25日 ロイター] - 胎児が子宮のなかで学習を始める時期が、これまで考えられていたより3週間早い34週目であるとする研究結果が、米国で発表された。
乳幼児の発達に関するジャーナル「Infant Behavior and Development」に掲載された同研究では、32人の妊婦について妊娠28週目から38週目まで観察し、胎児の学習能力がいつ見られるか調べた。
妊婦には34週目まで6週間にわたり、1日2回ずつ、15秒間の童謡を3回繰り返し歌ってもらい、そのうえで、妊娠32、33、34週目に、母親でない別の女性が歌った、同じ童話の録音を聞かせて胎児の心拍を測定。その結果、34週目までに全胎児の心拍数が若干下がった。一方、新しい童謡の録音を聞かせたグループの胎児は、心拍数が若干上がった。
米フロリダ大学看護学部の准教授で、同研究を率いたシャーリーン・クルーガー氏は、心拍数の低下は胎児が経験済みの事象を認識したときの反応と長らく関連付けられてきたと指摘。これに対し、心拍数の上昇は新しい音や経験に対する反応と関連するとみられていると説明。
「統計として規模が小さいため慎重にならざるを得ないが、妊娠34週目までに(胎児の)学習行動が表れたとの結論に達した。この結果が示しているのは、母親と胎児のコミュニケーションがいかに複雑であるかということだ」と述べた。
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