[16日 ロイター] - 米金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)BAC.Nが発表した2018年第4・四半期決算は、利益がアナリスト予想を上回った。年末の金融市場混乱の影響で投資銀行部門や債券取引部門は減収となったものの、金利収入の増加や融資の伸びが寄与した。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ、雇用情勢が良好で不良債権が抑えられたことが業績の下支えとなった。
バンカメの株価は序盤の取引で5%超上昇した。
個人向け融資は4%増加、法人向け融資は2%増加した。
純金利収入は7.3%増の123億ドル。平均的な預金残高は第3・四半期から約2%増加し1兆3400億ドルとなった。
年末にかけて市場が荒れ、取引を控えるムードが広がったことを背景に、調整後セールストレーディング収入は6%減少。ただJPモルガン・チェースJPM.NやシティグループC.Nのような2桁の落ち込みは免れた。内訳では株式取引収入が11%増加する一方、債券取引収入は15%減少した。
トレーディング収入の比較的小幅な落ち込みについて、ドノフリオ最高財務責任者(CFO)は保守的な対応が奏功したと指摘。一攫千金を狙う取引とは一線を画していると強調した。
投資銀行部門の手数料収入は5%減。債券引き受け業務の減少や投資助言サービスの収入減などが響いた。
純利益(普通株株主帰属)は70億4000万ドル、1株あたり0.70ドル。税制改革に関連して30億ドル近い費用を計上した前年同期は、20億8000万ドル、1株0.20ドルだった。
リフィニティブのIBESデータによると、アナリストの1株利益予想の平均は0.63ドルだった。
金利費用を差し引いた収入は11%増の227億ドルだった。
非金利費用は1%減の131億3000万ドル。
バンカメの首脳らは景気拡大の継続を示す兆候が依然見られると指摘。モイニハン最高経営責任者(CEO)は「経済は低インフレや賃金上昇、低失業率の環境にある。利上げは続いていても金利は引き続き過去最低水準にとどまっている」と述べた。
*内容を追加しました。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」