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米英の大手投資銀の幹部賞与、今年分は激減か M&A落ち込みで

 ニューヨークとロンドンで働く大手投資銀行幹部の今年分の賞与は、専門家の推計によると30─50%減少しそうだ。一部では支給ゼロというケースが出てくるかもしれない。写真はニューヨークで2021年10月撮影(2022年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク/ロンドン 22日 ロイター] - ニューヨークとロンドンで働く大手投資銀行幹部の今年分の賞与は、専門家の推計によると30─50%減少しそうだ。一部では支給ゼロというケースが出てくるかもしれない。昨年はコロナ禍からの経済の力強い回復に伴い、業界全体で2006年以降最大規模が支給されただけに、まさに「天国から地獄」の境地だ。人材コンサルティング会社や報酬の専門家らの見方をまとめた。

投資銀行幹部は来年第1・四半期にいざ報酬を受け取る際、落胆を禁じ得ないとみられている。それどころか投資銀行部門では今年の何百人かの解雇に続き、来年はさらに何千人もが解雇されるかもしれない。

背景には債券資本市場の冷え込みや株価の不安定化を受けた、企業合併・買収(M&A)と株式売り出しの急激なペースダウンがある。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げで経済活動が鈍化しており、景気後退(リセッション)のリスクも高まっている。

幹部人材コンサルティング会社シェフィールド・ハワースからロイターが提供を受けたデータやリポートに基づくと、ゴールドマン・サックス・グループでは米国のマネジングディレクターの今年分の平均報酬は勤務時間減少を反映し、恐らく40─45%減少する見込み。モルガン・スタンレー幹部の平均報酬も35─40%減るもようだ。JPモルガン・チェースの米国のマネジングディレクター報酬は35─45%減、シティグループやバンク・オブ・アメリカの幹部報酬も約30─35%減になる見込みという。

これらはあくまで平均なので、個人ごとや部門ごとでは報酬額にかなり差が生じる可能性が出てくる。

投資銀行幹部の採用あっせんを専門とするビシ・アドバイザリーのステファニー・ランボソン氏によると、今年は業界全体の収入がひどく落ち込み、大方の行員が何とか報酬大幅カットは避けたいと願っている状況のため、報酬額がたとえ前年並みであっても増額同等のありがたさがあるはずだという。

銀行員の研修支援に従事するウォールストリート・プレップの分析に基づくと、通常ならウォール街のマネジングディレクターの典型的な年間報酬額は35万─60万ドルで、賞与は基本給の1─2倍程度。ただ最優秀の行員であれば、成績連動型の報酬が数百万ドルに達することもあり得る。

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