[ブリュッセル 19日 ロイター] - ユーロ圏財務相らは19日、公的債務の再編をより容易に、かつ予見可能にする方策を協議した。
各国の財務相は、複数の債券の条件変更を1回の決定で可能とする「シングルリム」方式を集団行動条項(CAC)に導入することをおおむね支持している。
現在のCACでは種類の異なる国債の条件を変更する場合は個別に行う必要がある。シングルリム方式により条件変更が容易になり、一部の保有者が債務再編を妨害することが困難になる。
また、国債を巡る問題が起きた場合はユーロ圏の常設金融支援機関である欧州安定メカニズム(ESM)が政府と投資家の橋渡し役を担うべきという考えにも財務相は賛同しているが、債務再編が自動的に行われることはないとしている。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長は「債務再編について自動的または機械的な手法を導入することは支持されていない。債務再編の必要が生じた場合に、より効率的に行う方法を模索している」と説明した。
ユーロ加盟国が支援を求めた場合はESMが債務の持続性を審査するが、財務相の協議はESMに関する法令を改正し役割をより明確にすべきかが焦点となった。
ESMのレグリング総裁は「この協議の目的は債務再編をより頻繁に行ったり自動化したりするものではなく、より明確にし予見可能にすることだ」と強調した。
また「CACの修正で市場がマイナスの反応を示すとはまったく予想していない。逆に市場は前向きに受け止める可能性がある」との見方を示した。