[東京 11日 ロイター] - 来日中のベン・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)前議長が11日、都内の日銀本店を訪問した。午前11時半から1時間半ほど滞在して黒田東彦総裁などと会談、最近の国際金融情勢などについて情報交換したもよう。
黒田総裁は長年にわたりバーナンキ氏の提唱する巨額資金供給によるデフレ脱却理論の信奉者でもあり、両者は旧知の間柄。バーナンキ氏は12日に安倍晋三首相と会談するため来日しており、表敬訪問とみられる。
もっとも複数の関係者の話を総合すると、英国の欧州連合(EU)離脱や欧州不良債権問題の再燃、中国・ロシア・中東を取り巻く地政学リスクの高まる中で、世界の金融市場に影響力がある両者が接触すれば、市場に安心感を与えるとの思惑もあるようだ。
バーナンキ氏は引退後も自身のブログで、FRBが引き締めから緩和に転じる際に想定される処方箋を示すなど、内外当局・市場関係者に隠然たる影響力を持つ。
*写真とカテゴリーを追加して再送します。
竹本能文
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」