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焦点:中国の対米投資、「バイデン政権」でも多くの障壁に直面か

[香港/ニューヨーク 3日 ロイター] - トランプ米大統領は、中国企業による米国への投資や米国への上場の障壁を高める政策を取った。大統領選でトランプ氏が再選を果たせなくても、こうした障壁は残ると専門家らはみている。

11月3日。トランプ米大統領は、中国企業による米国への投資や米国への上場の障壁を高める政策を取った。写真は米中の国旗。上海で2019年7月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

リフィニティブのデータによると、昨年の中国企業による米国企業の買収は18億6000万ドルと、2016年の610億ドルから急減した。16年はトランプ氏が大統領に就任する直前で、こうした買収がピークに達していた。

ロジウム・グループのデータによると、中国から米国への直接投資は今年これまでの総額が47億ドル。16年の総額から90%減少している。

主因はトランプ氏の政策だ。米政府は国家安全保障上の観点を理由に、中国企業による米企業、特にハイテク企業の買収を数多く阻止。短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)などには米国事業の売却まで命じた。

米証券取引所は、中国企業の上場基準を厳格化した。コーヒーチェーン大手・ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)など、中国企業による不正会計処理で多くの投資家が痛手を負ったことが理由だ。また、中国国籍保持者による米就労許可の取得は、以前より困難になった。

M&Aに詳しい関係者によると、そうした傾向は、貿易や香港の将来といった重要問題を巡って米中間の緊張が今後和らぐとしても、継続する可能性がある。中国企業が技術力を悪用し、投資家を欺いているとの懸念は共和、民主両党の議員が共有しているからだ。

中国のプラベートエクイティ(PE)企業、プリマベラ・キャピタル・グループのフレッド・フー会長は「米国はもはや中国をパートナーではなく、敵であり脅威であると見なしている。中国に関係するすべてにとって、米国は非常に非友好的な土地となった」と語る。フー氏は、米中関係が短期的に改善する可能性は小さいとも指摘した。

トランプ政権下で、対米外国投資委員会(CFIUS)は中国企業への姿勢を厳格化した。CFIUSの役割は、国家安全保障上のリスクがありそうな買収案件を精査することだ。調査は非公開で行われ、毎年の買収阻止件数は公表されていないが、米議会への年次報告書からは中国案件の調査を強化したことが分かる。

トランプ政権最初の3年間で調査した中国企業の申請は140件と、どの諸外国よりも多かった。また、オバマ政権最初の3年間の20件に比べて大幅に増えている。17年から19年にかけて中国企業による買収申請が減ったにもかかわらずだ。

トランプ政権下でCFIUSが阻止した案件の中には、電子商取引大手、アリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループによる米送金大手「マネーグラム」の買収の試みなどが含まれる。

中国系PE企業幹部は「CFIUSは中国企業による海外買収、特にハイテクセクターの買収に大きな変化をもたらした」と語った。

米国の締め付けは、ベンチャーキャピタル投資にも波及した。多くの中国ベンチャーファンドや中国政府を後ろ盾とするファンドが数年前、値ごろ感のあるユニコーン(評価額10億ドル超の未公開企業)を求めてシリコンバレーに殺到した。

だが、ここ数年間で去って行った。CFIUSが、少数株投資についても調査に乗り出したからだ。米国のベンチャーキャピタルに資金を入れていた中国投資家の一部も撤退した。

シリコンバレーのベンチャーキャピタルファンド、レースキャピタルの幹部エディス・ユーン氏は、規制リスクを踏まえて多くの中国投資家を断らざるを得なくなったと説明。「今では、われわれのファンドから中国の投資家は完全に消えた」と述べた。

トランプ氏は今年、中国企業が米国の会計基準を満たさなければ、米証券取引所で上場廃止にする可能性も強くちらつかせた。ただ、実行には移していない。

ニューヨーク市場に上場する中国企業の株式時価総額は現在2兆5000億ドル。トランプ氏就任時の4年前からほぼ倍増した。ただ、ナスダックでは、規模の小さい中国企業による上場基準を厳格化した。このためニューヨーク市場では、今年の小規模中国企業の上場件数が昨年に比べて減っている。

政策に詳しい専門家によると、米国は中国の経済力、技術進歩、会計基準に深い不信感を抱いているため、バイデン前副大統領が来年1月に大統領に就任することになっても、中国からの投資に対する障壁の多くは維持される公算が大きい。

ナティクシスのエコノミスト陣は、先週のノートに「当社の見解では、米国の中国封じ込めは超党派だ」と記した。

(Kane Wu記者、Echo Wang記者)

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