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コラム

コラム:バイデン氏の金融政策チーム、進歩派の影響力のほどは

[ニューヨーク 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、ある意味、米ウォール街をぞっとさせるような政権移行チームを集めている。金融機関への監督機関を増強させるであろうチームのメンバーには、多くの左派寄りの人材が含まれる。その中には、かつて大手銀行への規制強化を推進した人々もいる。これはバイデン氏が司る政策に影響を与え得る。ただ、銀行界がそれでも、言いたいことをバイデン氏に聞いてもらえると見込んでおくのも妥当な判断だろう。

11月12日、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領(写真)は、ある意味、米ウォール街をぞっとさせるような政権移行チームを集めている。デラウェア州ウィルミントンで10日撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

10日に発表された金融関係省庁を見直すチームの人選に銀行界や金融界の幹部らが少ないのは明らかだ。メンバーは例えば、金融業界改革を促進しているシンクタンク「ベター・マーケッツ」のデニス・ケレハー氏や、2010年の金融規制改革法(ドッド・フランク法)や消費者保護法の中心的な設計者であるマイケル・バー氏だ。

チームの中で銀行業界の経験があるメンバーでさえ、ウォール街のチアリーダーには見えない。例えばゲーリー・ゲンスラー氏。連邦準備理事会(FRB)と銀行・証券規制当局を見直すチームを率いるが、ゴールドマン・サックスGS.Nで働いていたことはある。だが08年のリーマン・ショックの後に商品先物取引委員会(CFTC)委員長を務めた際には、デリバティブ規制強化を強く進めた。

それでも、これが金融業界がまったくバイデン氏に影響力を持てないことを意味するわけではない。金融と政治で長い経験のあるジェフリー・ザイエンツ氏が政権移行チームの共同委員長になっている。センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクスによると、今回の大統領選挙でバイデン氏への金融業界からの献金は少なくとも7400万ドルに上っていて、彼らは人事や政策で助言を提供するかもしれない。有名なバイデン支援者にはセンタービュー・パートナーズの共同創業者ブレア・エフロン氏やグレイクロフトの共同創業者アラン・パトリコフ氏、モルガン・スタンレーMS.Nのトム・ナイズ副会長もいる。

バイデン氏はこれまでで最も多様性に富んだ政権移行チームを集めたが、これがバイデン氏の重要な所信表明になっているのは疑いない。チームの40%が、これまでは例が少なかった集団からの招集だ。例えばカリフォルニア大学アーバイン校のメルサ・バラダラン法学教授は、銀行業界での人種格差問題の解決を提唱してきた人物。これは、バイデン氏が人種的な経済格差を縮め、あるいは中間層の機会を拡大する政策を重視する可能性を示唆する。つまり、政策の主眼が大手銀行の分割ではないということかもしれない。

最終的にはこうしたチームの人選は、1月に実施される見通しのジョージア州2議席の上院選決選投票の結果ほどは大事ではないかもしれない。共和党が両議席を取れば上院支配を維持することになる。つまり、バイデン氏は進歩派の指名人事の承認が難航することになるし、法案可決でももちろん苦しむことになる。

次期大統領は自分をウォール街に批判的に見せることはできるかもしれないが、そのように動くということを意味するものではないのだ。

●背景となるニュース

*米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領と副大統領候補のハリス上院議員は10日、政権移行作業で各政府機関の見直しを担当するチームのメンバーを発表。現在の政府機関がどのように運営されているかを検証し、主要課題などを確認し、新政権の政策目標の策定に役立てる。チームの業務には元当局者や政策専門家などとの面談も含まれる。

*連邦準備理事会(FRB)と銀行・証券規制当局を担当するチームは、オバマ政権下でデリバティブ規制を推進したゲーリー・ゲンスラー元商品先物取引委員会(CFTC)委員長がリーダー。このチームにはベター・マーケッツの責任者で金融改革を促進するデニス・ケレハー氏も加わった。

*カリフォルニア大学アーバイン校法学教授のメルサ・バラダラン氏は銀行担当のチームと財務省担当チームに参加。同氏は金融セクターでの人種格差問題で著作がある。財務省チームのリーダーはキーバンク幹部のドン・グレイブス氏。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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