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アングル:バイデン氏80歳、次期大統領選は前例なき高齢者対決か

[ワシントン 20日 ロイター] - バイデン米大統領は20日に80歳の誕生日を迎え、米国の歴史で初めて80代の大統領となった。19日には孫娘がホワイトハウスで挙式し、家族はお祝いムード一色に包まれている。

 バイデン米大統領(写真)は20日に80歳の誕生日を迎え、米国の歴史で初めて80代の大統領となった。バイデン氏が既に歴代最高齢大統領であるという事実は、2024年の大統領選をこれまでと異なる世界に導くことになるかもしれない。写真はホワイトハウスで18日撮影(2022年 ロイター/Elizabeth Frantz)

一方、バイデン氏が既に歴代最高齢大統領であるという事実は、2024年の大統領選をこれまでと異なる世界に導くことになるかもしれない。

ロナルド・レーガン氏が大統領を退任したのは77歳だったが、バイデン氏が2期目を勤め終えれば86歳になる。野党共和党の有力対抗馬の1人であるトランプ前大統領も、24年に当選すれば退任時の年齢は82歳だ。

これはある意味、高齢化が進む米国社会の縮図でもある。米国は国家としては250年弱とまだ若いものの、今は何百万人もが従来の現役引退時期とされた65歳を超えて働き続けている。

2018年に5200万人だった65歳以上の人口は、2060年に9500万人に達する見通し。ある非営利団体の試算に基づくと、26年までには65歳超の男性の4人に1人以上が就業状態のままだろうという。

ただ、24年の大統領選で目下の有力候補2人がいずれも高齢者という状況について、国民からは懸念する声が出ている。

11月8─9日のロイター/イプソス調査では、民主党員の71%がバイデン氏は「頭が切れてさまざまな課題に対処できる」と評価しつつも、46%は次期大統領選という試練には耐えられないかもしれないと回答。共和党員の26%は、同じくトランプ氏も次期大統領選に出馬するには高齢過ぎるとの見方を示した。

また、全体の約86%は、大統領に75歳以下という定年制度を導入すべきだと述べた。

バイデン氏はしばしば言い間違いをしたり、事前に作成した原稿から発言が「脱線」したりする傾向があり、共和党から大統領の職務を遂行するには年を取り過ぎている証拠だと攻撃されてきた。これに対してバイデン氏の支持者は、同氏は何十年間もずっと演説で「アドリブ」を駆使してきたと擁護している。

さらに先の中間選挙で与党民主党が善戦し、バイデン氏の再選に向けた視界は明るくなった。

バイデン氏の年齢問題に関し、ホワイトハウスのベイツ報道官はこれまでの実績に目を向けるよう強調。「2019年の大統領候補としてバイデン氏は米国の歴史上最も多くの票を獲得し、空前の雇用を創出して、大企業に公正な税負担を課し、薬価引き下げに向けたメディケアの交渉力を強化した。このほか過去30年間で最も重大な銃規制改革と1950年台以降で最も大規模なインフラ投資を実現した」と説明。リンドン・ジョンソン氏以後のどの大統領よりも成果を伴う法整備を行ってきたと胸を張った。

それでも一部のバイデン氏支持者は、バイデン政権の下で民主党の政策がうまくいっている点をたたえながら、次の任期がどうなるかは分からないと不安を口にしている。

イリノイ州に住むポール・クレンクさんは「バイデン氏はこれまで素晴らしい仕事をしたと思う。(同時に)80代半ばになろうかという人が、大統領職に従事することを心配している。大統領ほど高い能力が要求される仕事は、考えつかないからだ」と話した。

逆にバイデン氏の年齢を批判するのは、差別だという意見もある。ニューヨーク市内で暮らすキャサリン・スティンプソンさんは「60歳でも政治能力がほとんどなくなる人もいる。バイデン氏を嘲笑するのは老人全般への差別だ。あくまで1人1人として見てほしい」と述べた。

バイデン氏は最近のMSNBCのインタビューで80歳になったことを聞かれると、50歳以上の人によくある反応、つまり自身がその年齢であると信じたくないと回答。「80歳になると口にさえすることができない」と語り、高齢への疑問が浮上するのは至極当然だとしつつも、再出馬の意欲を改めて示した。

<スーパー高齢者>

現在の議会メンバーの年齢層も米国の歴史上有数の高さとなっている。ピュー・リサーチの調査によると、下院議員の半分以上と上院議員の3分の2が1946年から1964年に生まれた「ベビーブーマー」世代に属する。

民主党下院指導部からの退任を表明したペロシ下院議長は82歳、共和党のマコネル上院院内総務は80歳とバイデン氏やトランプ氏とほぼ同世代。アイオワ州選出のグラスリー共和党上院議員に至っては89歳でなお再選を果たし、あと6年の任期を務める。

こうした政界の現状に対し、国民は必ずしも満足しているわけではない。ロイター/イプソス調査では、大統領、議員や最高裁判事など連邦レベルの公職に年齢の上限を設定する案には3分の2が賛成している。

もっとも何人かの高齢化問題研究者の話では、バイデン氏に職務を遂行できなくなっている兆しは全く見えないという。

イリノイ大学のスチュアート・ジェイ・オルシャンスキー氏は、もしかするとバイデン氏は頭脳が実際の年齢より何十歳も若い「スーパー高齢者」の1人かもしれないと指摘した。

(Steve Holland記者 Jason Lange記者)

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