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焦点:米中首脳会談、台湾巡りエスカレート回避 懸案は両者とも国内経済

[ワシントン 28日 ロイター] - バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は28日の電話会談で、台湾を巡るエスカレートした発言をおおむね避けて通った。米中経済がそれぞれ気がかりな状態にある今、両首脳ともに台湾海峡の緊張激化を望んでいない様子が見て取れる。

 バイデン米大統領と中国の習主席は28日の電話会談で、台湾を巡るエスカレートした発言をおおむね避けて通った。写真は2021年11月、習主席とバーチャル形式で会談するバイデン大統領。ホワイトハウスで撮影(2022年 ロイター/Jonathan Ernst)

習氏は、米側が台湾を巡って「火遊び」をしないよう警告した。これは鮮烈な言葉遣いではあるが、昨年11月のビデオ会談における発言をほぼなぞっている。

米ジャーマン・マーシャル財団の中国専門家、ボニー・グレーザー氏は「台湾に関する対話の部分は、前回の会談と酷似していた。習氏の警告はエスカレートしていない」と話す。

記者団に対する米高官の説明によると、2時間余りに及ぶ両首脳の会談は台湾問題のほか、ロシアのウクライナ侵攻、気候変動など米中協力が可能な分野の3部分で構成された。

取り沙汰されているペロシ米下院議長の台湾訪問が話題に出たかどうかについて、米高官は明らかにしなかった。その代わり、バイデン氏は米国が「1つの中国」原則を維持していると伝えたと強調した。

新アメリカ安全保障センターのインド太平洋安保フェロー、ジェーコブ・ストークス氏は「私見では、両首脳が直接対話したことは、対話しなかった場合に比べて緊張をやや和げる効果があっただろう」とした上で、「両国関係の緊張の構造的原因は変わっていない。ペロシ氏が台湾を訪問する可能性も消えていない」と指摘した。

中国はペロシ氏が台湾を訪問した場合の影響について、これまでより強い警告を発した。民主党のペロシ氏は長年、特に人権問題を巡って中国を批判し続けている。

一部報道では、ペロシ氏は8月にも台湾を訪問する可能性がある。実現すれば米国による台湾への支持を示す劇的な出来事となりそうだ。現職下院議長による訪台は、1997年のギングリッチ氏(共和党)が最後。

一部の専門家は、米中関係が緊張している時に訪台すれば大きな危機を誘発し、不慮の衝突さえ起こりかねないと懸念する。

しかしヘリテージ財団の中国専門家、ディーン・チェン氏は「悪夢のような妄想が広がっている。彼らがペロシ議長の乗った飛行機を打ち落とすとか、議長の訪問中に台湾に侵攻するとか。トム・クランシーの小説でもあるまいに勘弁してほしい」と述べ、台湾を巡る一触即発説を退けた。

チェン氏によれば、もっと現実味の強い中国の対応は、台湾海峡の中間線上を飛行する軍機の増加、もしくは台湾周辺の航行といった軍事的示威行為だ。

ギングリッチ氏が訪台した1997年に比べ、中国は軍事的にも経済的にもはるかに強大になっている。ホワイトハウスによると、政府はペロシ氏の事務所と連絡を取り、「あらゆる前後関係」を踏まえて訪台の是非を判断するよう呼びかけている。

民主主義防衛財団(ワシントン)の中国プログラム担当シニアフェロー、クレイグ・シングルトン氏はメディア向けのノートで、米中はともに経済面で逆風に見舞われているため、バイデン、習両氏に対しては国内から米中関係の安定化を求める声が高まると予想した。

「今のところオンラインでも国内メディアでも、中国が現時点でさらに深刻な軍事行動を検討していることをうかがわせる公式声明はほとんど見当たらない。もっとも、この状況が変化する可能性はあるが」とシングルトン氏は記している。

(Michael Martina記者、 David Brunnstrom記者)

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