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アングル:米予算教書、成長長期予測は控えめ 高齢化を勘案

[28日 ロイター] - バイデン米大統領が議会に提出した2022会計年度(21年10月─22年9月)の予算教書は、歳出総額が約6兆ドルで、コロナ禍前の歳出を約50%上回る。しかし、長期的な経済成長予測は比較的控えめな数字になっている。少なくとも今のところはだ。これは米国の高齢化についての懸念を反映した可能性が高い。

 バイデン米大統領(写真)が議会に提出した2022会計年度の予算教書は、歳出総額が約6兆ドルで、コロナ禍前の歳出を約50%上回る。しかし、長期的な経済成長予測は比較的控えめな数字になっている。バージニア州ハンプトンで撮影(2021年 ロイター/Ken Cedeno)

見込まれているのはインフラや教育、気候変動対策などの歳出拡大だ。民主党政権1期目としての優先課題を映している。しかし、短期的な経済成長予測も、今年これまでの米経済の急速な回復を反映させていない。今年に入って1兆9000億ドルの追加経済対策が議会に承認されたおかげで、第1・四半期の成長率は年率6.4%になった。専門家予測調査(SPF)と連邦準備理事会(FRB)はいずれも、このペースが今年いっぱい続くとみている。

これに対して予算教書が見込む今年の成長率は5.2%どまりだ。大統領経済諮問委員会(CEA)のセシリア・ラウズ委員長によると、予算教書の基になった経済予測は今年2月初め時点に固められたもので、年内に改定される予定。

予算教書でもう一つ目を引くのは来年以降に成長率の急速な鈍化が想定されていることだ。24年から31年にかけてのレンジは1.8%から2.0%。これはFRBによる長期予測とはまさに平仄が合うが、民間予測平均からは少なくとも0.25%幅で下回っており、2年前に出されたトランプ政権最後の予算教書の、もちろんコロナ前の強気な予測に比べても約1%幅で低い。

エコノミストによると、バイデン氏の予算教書の予測はトレンドを上回る経済成長が続くことに対するシステミックな逆風を2点、織り込んでいる可能性が高い。米国の急速な高齢化と、労働人口の伸び悩みだ。

米国勢調査局の2017年の推計によると、米人口に占める65歳超の割合は30年までに20.5%になる。10年時点では約16.8%だった。労働参加率は現在61.7%と、1970年代の水準近辺にまで下がっているが、これがコロナ前に戻る想定はされていない。

バイデン氏の予測は米国の生産性が上がることも見込んでいる。予算教書が提案する投資の効果を一部勘案したものだ。

マクロポリシー・パースペクティブのジュリア・コロナド社長は予算教書の予測について、「人口統計上の現実を極めてしっかりと映している」と評価。その上で、投資がされなければ生産性上昇もないという考え方も見て取れるとしている。

コロナド氏によれば、全体的な経済成長率を見るだけでは正しい理解ができない。「バイデン氏の計画を巡ってなされた多くの議論は、単に潜在成長率を上げることだけでなく、米経済成長をより持続的に、より経済格差のない形で実現することを意図している」と話す。

コーナーストーン・マクロのロベルト・ペルリ氏もこれに同意する。ホワイトハウスの経済成長予測は現実的だし、上方修正される可能性もあるという。25年の成長予測が1.8%で、30年が2.0%とされたことについては、人口統計的なマイナス要因を考え合わせると、「ホワイトハウスが、いずれ生産性が上がっていくと考えている」ことを示唆するとしている。

バイデン氏のチームが楽観的に見える分野も1つある。失業率だ。

現在6.1%の米失業率について、予算教書は今年の平均を5.5%とし、23年までには3.8%と、パンデミック前に記録した3.5%に近づいて、31年までそのあたりの水準を維持するとの見通しを描いた。これと対照的に、FRBの失業率の長期予測は4.0%、民間予測調査は4.1%。トランプ前政権でさえ長期的には4.2%の想定だった。

(Ann Saphir記者、Dan Burns記者)

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