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コロナ禍からの回復まちまち、財政・金融政策の再調整困難=BIS

[ロンドン 29日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は29日に公表した報告書で、新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた危機からの世界的な回復は一様でないため、各国の政策担当者による財政・金融政策の再調整は困難が予想されるとの見解を示した。

各国の中央銀行で構成されるBISは、回復を巡る2つのシナリオを想定。1つ目は、大規模な財政刺激策と蓄積した貯蓄の利用で経済が力強く成長する一方、インフレが高進し、世界的な金融情勢が大幅にタイト化するというもの。2つ目は、新型コロナの抑制が困難で経済成長が停滞するというもの。BISのカルステンス総支配人は「回復は進んでおり、BISは比較的穏健なシナリオを想定しているが、困難はまだ脱していない」との見方を示した。

カルステンス氏は、一部新興国がインフレ高進に対応して利上げに着手したのは健全な動きとしながらも、先進国は直ちに利上げに踏み切らないと予想していると強調。「インフレ対応のみを目的に金融政策を引き締め、景気回復を犠牲にするのは適切でない公算がある」と述べた。

その上で、新型コロナワクチン接種の進展を受け、市場でテーパリング(量的緩和の縮小)を巡る観測が高まり、1─3月に債券価格と株価のボラティリティーが高まったことに言及し、金融市場が「ノイズ」に影響されることは多くなると予想。「(これから年末にかけての)主要な課題は、市場の予測と政策運営をいかに調整していくかということになる。過去数カ月に見られた波乱は、市場が米連邦準備理事会(FRB)の先を越していたことが要因だった」と述べた。

現在見られているインフレ高進が一過性のものなのか、根強く継続するのかが注目されているが、カルステンス総支配人は「BISは現時点では一過性のものとみている」と語った。

BISは報告書で「回復は一様でなく、政策担当者は大きな課題に直面する」と指摘。「金利が上昇し始めれば、債務の持続可能性も変化する」と警告した。

また、新型コロナ禍で低所得層が不相応に大きな影響を受けているほか、政府の景気刺激策による資金が株式市場に流入し、不均衡を巡る懸念が増大していることも指摘した。

このほか、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)に対する完全な支持を表明。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は「通貨ではなく、むしろ投機資産」とし、警戒感を強めた。

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