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コラム

コラム:ビットコイン法定通貨のエルサルバドル、米との意外な共通点

[ワシントン 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国とエルサルバドルには意外な共通点がある。世論調査によると、米国はヒスパニック系とアフリカ系が暗号資産(仮想通貨)を保有している人の割合で上位を占めている。金融サービスの利用で差別を受けたり、従来型金融サービスへのアクセスが遅れたりしているためで、その一部は中米エルサルバドルが先月、ビットコインを法定通貨とした理由とも重なる。従来型の銀行にとっては痛手だ。

 10月18日、米国とエルサルバドルには意外な共通点がある。写真は4日、サンサルバドルの店舗に貼られた「ビットコイン使えます」のサイン(2021年 ロイター/Jose Cabezas)

米国のアフリカ系やヒスパニック系の間で銀行離れが起きている原因は、当の金融機関にある。エデルマンの調査によると、年収5万ドル未満の人で金融機関からサービスを拒否されたことがあると答えた人は、ヒスパニック系で23%、アフリカ系で13%、白人で6%だった。また、年収10万ドル以上ではアフリカ系の68%が、雇用証明などで規定を上回る書類の提出を求められるなど、金融サービスで1回以上、否定的な対応を受けたことがあると回答し、白人の36%を大きく上回った。

このため、金融機関から邪険に扱われている人々は、仮想通貨など代替プラットフォームに魅力を感じるようになっている。ハリスが米紙USAトゥデー向けに行った最近の世論調査によると、デジタル資産を所有している人の割合は白人の11%に対して、アフリカ系で23%、ヒスパニック系で17%だった。

また、モーニング・コンサルトによると、ビットコインを購入した人の比率は、銀行サービスに完全にアクセスできる人では10%だが、サービスにアクセスできない人では37%に上っている。19日には米国で初めて、ビットコイン先物に連動した上場投資信託(ETF)の取引が始まり、ビットコイン投資はさらに容易になる。

ビットコインを法定通貨化したエルサルバドルの動きが各国に広がることはないだろうし、米国が追随することはあり得ない。しかし、エルサルバドルによる法定通貨化の背景には、米国と似通った流れがある。

ブケレ大統領は、ビットコインの法定通貨化で送金手数料を年間4億ドル節約し、銀行口座を持たない市民に金融サービスを提供できると訴えている。半面、大きなデメリットはデジタル資産が高リスクの投資になり得るということで、この点はエルサルバドルだろうが米国だろうが変わりはない。

米国の従来型銀行は、こうした人々に安全な選択肢を提供できていない。米国では、非白人の子供が全児童の半数以上を占めるようになった。国勢調査局によると、2060年には人口の30%以上を非白人が占めると予想されている。金融機関は、どんな人も排除しない、よりインクルーシブなアプローチをとることでこの層に食い込むことが可能であり、標準的な銀行サービスでそうすることさえできる。

また、ロビンフッドやベンモのような新しいプラットフォームから学ぶことも可能だ。こうしたプラットフォームは非白人顧客の取り込みで優位な立場にあり、仮想通貨サービスも手掛けている。ただ今のところ、従来型銀行は打たれっぱなしの状態だ。

●背景となるニュース

*米ETF大手プロシェアーズは18日、ビットコイン先物に連動したETFの取引を19日に開始すると発表した。ビットコイン先物ETFは米国で初めて。ビットコインの現物に投資するETFは多数の計画が進んでいるが、いずれも規制当局の承認が下りていない。

*エデルマンが8月に行った調査によると、米国ではアフリカ系の過半数が、住宅ローン、クレジットカード、銀行など金融サービス業界で差別に直面していると回答した。サービスの提供を拒否された人の割合は、年収5万ドル未満のヒスパニック系で23%、アフリカ系で13%だったのに対して、同じ賃金層の白人では6%だった。

*また、ハリスが6、7月に米紙USAトゥデー向けに行った世論調査によると、仮想通貨を個人で保有している人の割合はアフリカ系が23%、ヒスパニック系が17%で、白人は11%だった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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