[ニューヨーク 23日 ロイター] - 23日終盤のニューヨーク外為市場は、予想を上回る中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)を手掛かりに豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルの資源国通貨が上昇した。一方、ドルは対ユーロで横ばい、対円では下落し方向感を欠いた。
アジア太平洋時間帯に発表された6月の中国PMI速報値は拡大と縮小の節目となる50を6カ月ぶりに上回り、市場予想も超えた。
このため中国を最大の輸出先とするオーストラリアの豪ドルが上昇。対米ドルAUD=D4は0.9445米ドルと2カ月ぶりの高値をつけた後、終盤は0.9412米ドルで取引された。
他の資源国通貨も買われた。カナダドルCAD=D4は対米ドルで一時1.0717カナダドルと5カ月ぶりの高値をつけた後、終盤は1.0726カナダドル。
ニュージーランドドル/米ドルNZD=D4は0.13%高の0.8707米ドル。
終盤のユーロ/ドルEUR=は1.3599ドルで横ばい圏。ドル/円JPY=は0.18%安の101.88円。
BMO(ロンドン)の欧州通貨戦略ヘッドのスティーブン・ギャロ氏は「今朝はややリスクオンの取引になった。豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルはいずれもこの流れに乗ったようだ」と指摘。カナダドルは先週末発表のカナダの5月消費者物価指数(CPI)が高い伸びになったことで、ショートポジションに対する踏み上げが起きたとの見方を示した。米統計は5月の米中古住宅販売が予想を上回る伸びとなり、米ドルの長期的な見通しは全般に上向いたが、アナリストの中には米金融政策の方向を見極めるには追加材料が必要との見方がある。
TDセキュリティーズのチーフ外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏はドル相場について「少なくとも目先はレンジでの取引が続く公算が大きい」と予測。「全体的にドルの見通しについていくらか前向きになっている。しかし米連邦準備理事会(FRB)のメッセージを考えれば、この先の政策リスクをはっきり示すデータをもう少し見定める必要がある」とした。
マークイットが発表した6月の購買担当者景気指数(PMI)速報値はドイツとフランス、ユーロ圏全体がいずれも市場予想を下回った。ただ、ドイツ経済の成長が力強い半面、隣国の一部は苦戦するという構図に変化はなかった。
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ドル/円 終値 101.94/96
始値 101.84/85
前営業日終値 102.05/07
ユーロ/ドル 終値 1.3602/04
始値 1.3595/96
前営業日終値 1.3598/02
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