[ニューヨーク 11日 ロイター] - 11日のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対して7年ぶりの高値に上昇した。日本の安倍首相が消費増税延期を決断するかもしれないとの見方が浮上、市場がリスク選好に転じ、日本株の上昇に伴い安全資産として認識されている円が売られた。
政府の債務削減を目的に4月に実施された消費増税で景気は腰折れしており、安倍首相は解散総選挙で消費増税先送りの信を問うのではとの公算が大きくなった。
ドル/円JPY=は2007年10月以来の高値となる116.09円に上値を拡大。終盤は戻して0.6%高の115.29円。今年に入り、すでに10%の上昇となっている。
一方、ドル自体は上昇後の巻き戻しで軟調な展開。ユーロ/ドルEUR=は終盤の取引で0.6%高の1.2493ドルとなっている。
消費増税先送りについて、ウェストパック・セキュリティーズ(ニューヨーク)の上級通貨ストラテジストのリチャード・フラヌロビッチ氏は「延期は経済にとっていい知らせだ。株にとっても大きな支援材料となる」とし、「株と負の相関関係にある円には重しとなった」と述べた。
その他通貨ではスイスフランは対ユーロで2年2か月ぶりの安値に沈んだ。これでスイス国立銀行(中央銀行、SNB)が2011年に表明したユーロ/スイスフランEURCHF=の防衛ラインの1.20スイスフランを前に介入するのではとの観測が出ている。ユーロ/スイスフランは終盤はほぼ横ばいの1.2030スイスフラン。
ドル/円 終値 115.80/83
始値 115.61/62
前営業日終値 114.86/88
ユーロ/ドル 終値 1.2471/76
始値 1.2436/37
前営業日終値 1.2419/21
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