[24日 ロイター] - 米資産運用最大手ブラックロックは24日、オンライン形式で年次株主総会を開き、同社の環境・社会・企業統治(ESG)方針に異議を唱えるアクティビスト(物言う株主)が出した決議が否決された。また同社が任命した取締役全員が過半数を優に超える賛成票によって承認され、ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)ら幹部の報酬も92%の支持を得た。
総会では、同社の気候変動方針に懸念を示す決議2件への賛成票が10%に届かなかった。保守派団体が同社の多様性に関する方針を問題視して提出した決議も、賛成票が1%に満たなかった。
気候変動に関する決議の1つはブラックロックに対し、スチュワードシップ(機関投資家による投資対象企業の経営監視)などを強めることで、顧客である年金基金のリターンをどのように改善できるか報告するよう求める内容。
フィンクCEOは「それを望む顧客もいるが、それに関心のない顧客もいる」とし、決議の求める行動は同社の役目ではないとの考えを示した。
ブラックロックはこのところ、リベラル派、保守派両方のアクティビストや政治家からESGを巡る批判にさらされている。
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