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ブログ:間近で見た北朝鮮の軍事パレード
2017年4月17日 / 07:11 / 7ヶ月後

ブログ:間近で見た北朝鮮の軍事パレード

[平壌(北朝鮮) 16日 ロイター] - 北朝鮮の軍事パレードを取材するのは、ローラーコースターに乗っているような気分だ。外国人記者たちは、首都平壌の金日成広場で行われた同パレードから、わずか数メートルの位置にいる。

 4月16日、北朝鮮の軍事パレードを取材するのは、ローラーコースターに乗っているような気分だ。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/Damir Sagolj)

これはまさに視覚的、感覚的な集中砲火だ。社会主義リアリズムのプロパガンダの鮮やかな色彩を目に浴びせられる。戦車が音を立てて通り過ぎると、足元の地面は揺れ、口のなかはディーゼル油のような味がする。

ヘルメットに暗視ゴーグルを装着した兵士たち。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

ヘルメットに暗視ゴーグルを装着した兵士たち。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

そうした重機材と、記者団の前に現れた一糸乱れぬ旅団の行進は目を見張る光景だ。

だが、私たちから30メートル後方のバルコニーから見学していた北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党委員長のために何時間も歓呼し、涙を流す大勢の北朝鮮国民にもまた、圧倒される。彼らの表情には疲労の色が見て取れる。

北朝鮮の大学の制服を着た旗を持つ男性たち。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

北朝鮮の大学の制服を着た旗を持つ男性たち。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

パレードは、武器専門家や国連の調査官らに、北朝鮮の軍事能力をはかり知る貴重な機会を与えている。あらゆる写真やビデオに写るナットやボルトの1つ1つまで精査される。

初めて披露された発射装置に収められた大陸間弾道ミサイル(ICBM)。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

初めて披露された発射装置に収められた大陸間弾道ミサイル(ICBM)。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

北朝鮮はこのことを知っている可能性が高く、新しく、まだテストされていない軍事機器を公開することがある。まさに15日がそうで、大陸間弾道ミサイルとみられるミサイル2発を披露した。

バルコニーからパレードの進行を見守る金正恩朝鮮労働党委員長。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

バルコニーからパレードの進行を見守る金正恩朝鮮労働党委員長。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

北朝鮮ウオッチャーにとって次の関心は、バルコニーでの金委員長と側近らの立ち位置だ。金氏が初めに誰と話し、握手を交わすかといったことや、妹の金与正・朝鮮労働党宣伝扇動部副部長は一緒か、といったことだ。

金与正氏は、柱や真っ赤な旗の後ろに隠れていることが多いが、同氏の茶目っ気ある笑顔は、階下で行われている軍国主義的なパレードに対する非現実的な解毒剤のようである。

北朝鮮の戦車指揮官の制服を着ている男性。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

北朝鮮の戦車指揮官の制服を着ている男性。平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

テレビでは、こうしたパレードはしっかりと演出され、趣向を凝らしたイベントとして放送されるが、現場で最も面白いと思われる部分はそのような全体像からは分かりづらい。

完全にシンクロしている行進は、着地点の目安を示すため1メートルごとに地面に記された無数の白い点のたまものである。また、金委員長のいるバルコニーの後ろには、大きな信号と秒読み時計があり、各グループに行進の合図を送っている。

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

パレードで最も壮観なものの1つは、パレード中心部の背後で北朝鮮国民がつくる「大画面」だ。大勢の国民が掲げる色とりどりのプラカードによって、プロパガンダの巨大スローガンが出来上がる。

だがそうした大規模なイベントでは、一張羅を着て、日差しが降り注ぐなか何時間も造花を手にする国民一人一人の表情は見失いがちだ。

山車の側面には地球上に平和の象徴であるハトが置かれているが、その近くには北朝鮮のミサイルがデザインされている。    平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

山車の側面には地球上に平和の象徴であるハトが置かれているが、その近くには北朝鮮のミサイルがデザインされている。 平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

人々は作業単位に分けられ、このようなイベントのために何カ月も準備を重ねる。概して選択の余地はなく、週末や仕事後に練習する。

国によって与えられる仕事から得られるわずかばかりの所得を補うため、急成長する半合法的な市場で収入を得るという経済的2重生活に加えて、こうした練習は行われる。

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

金委員長のバルコニー前を通過するとき、一部の人たちは感極まって泣いてしまう。また他の人たちはやつれ、疲れ切ったように見える。

パレードが終わると、広場にはまだ活気が残るなか、グループはそれぞれ散会していく。造花の花びらが彼らの後に道をつくっていた。

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

平壌で15日撮影(2017年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

15日、北朝鮮は故・金日成主席の生誕記念日を迎え、首都平壌では大規模な軍事パレードが行われた。パレードでは新型兵器とみられる車両も登場した。(ナレーションなし)

(写真:Damir Sagolj 文責:James Pearson)

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