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ブログ:「ロイター流」のトランプ報道
2017年2月2日 / 10:43 / 10ヶ月後

ブログ:「ロイター流」のトランプ報道

トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。スティーブン・アドラー編集主幹は31日、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。

 1月31日、トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。スティーブン・アドラー編集主幹(写真)は、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。2013年ニューヨークで撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)

トランプ政権が始動してからの12日間(そう、まだそれしかたっていない)は、誰にとっても印象深いものとなったが、とりわけ報道に携わるわれわれにとっては、チャレンジングだった。

米国大統領がジャーナリストを「地球上で最も不誠実な人間の類い」と呼んだり、大統領の首席戦略官がメディアを「野党」と言い放ったりすることは、よくあることではない。トランプ新政権をどのように報道するべきなのか、疑問や意見が充満していても驚くにはあたらない。

では、これに対するロイターとしての答えは何か。政権に反対することか。政権をなだめることか。ブリーフィングをボイコットすることか。われわれのプラットフォームを使って、メディアへの支持を集めることなのか。

そうした巷にある考え方は、一部の報道機関には正しいことかもしれない。しかし、ロイターには当てはまらない。われわれはすでに何をすべきか分かっている。日々、それを世界中で行っているからだ。

分かりきったことだが、ロイターは独立した中立的な立場で、100カ国以上からニュースを伝える世界的な報道機関である。そのなかには、メディアを歓迎せず、度々攻撃にさらされる国も多く含まれる。トルコ、フィリピン、エジプト、イラク、イエメン、タイ、中国、ジンバブエ、ロシアといった国々での仕事を私は常に誇りに思っている。こうした国々では、ジャーナリストは検閲、訴追、査証(ビザ)発給拒否、時には身体的な脅威にも見舞われることがある。

ジャーナリストを守るため、このようなことすべてに対しわれわれは最善を尽くして対応する。そのためにわれわれは、公正かつ誠実な報道を行うことを改めて決意し、忍耐強く入手困難な情報を集め、そして中立の立場を維持する。

われわれは自分たちのことや自分たちの問題についてはめったに書かないが、ビジネスの世界や読者や視聴者の生活に影響を与えるような問題については頻繁に報道している。

トランプ政権による攻撃が今後、どのように先鋭化するか、あるいは、そうした攻撃によって、われわれの取材活動がどれほど法的な制限を受けるのかはわからない。

だが、確実にわかっているのは、われわれが常に、どこにおいても、自分たちの仕事を支配している同じルールに従わなくてはならないということだ。

そのルールとは、すなわち、以下の通りである。

<やるべきこと>

●人々の生活にとって重要であることを報道する。そして、人々がより良い判断ができるよう、必要な事実を提供する。

●より賢く、精力的に動く。情報を得るためのドアが1つ閉ざされたなら、別のドアを開く。

●発表資料に頼ることは止め、情報への公式なアクセスがあるかどうかにはこだわらないようにする。どのみち、本当に貴重だったことはないのだから。ロイターのイラン報道は傑出しているが、われわれには事実上、公式に取材する手段はない。だが、われわれには情報源がある。

●人々がどのように暮らし、いかに考え、何が彼らに役立ち、彼らを傷つけているのか。そして、政府とその行動が、われわれにではなく、彼らにどう受け止められているのか。現地に入り、さらに理解を深める。

●トムソン・ロイターの「信頼の原則」を手元に置き、「高潔さ、独立性、偏見からの自由を完璧に維持する」ことを忘れない。

<すべきではないこと>

●決して臆することなく報道する。

●ただし、不要なけんかは売らない。あるいは、自分たちについての記事は書かない。われわれは自分たちの内輪の話を気にするかもしれないが、世間一般はそうではなく、たとえそうだとしても、われわれを支持しないかもしれない。

●フラストレーションを毎日のようにかきたてると思われることについても、表立って怒りを爆発させるのは避ける。他の、数えきれないほど多くの国においても、われわれは個人的憎悪から記事を書いたと疑われないよう、自分たちの考えは内にしまっている。米国でも同様にそれを行う必要がある。

●報道活動が置かれている環境について、悲観的すぎる見方をしない。そうした状況は、われわれがより過酷な世界で学んだスキルを実践し、模範を示し、どの報道機関よりも新しく、有益で啓発的な情報や洞察を提供する機会であるのだから。

米国において、そして世界のどこであっても、これがわれわれのミッションである。世界に影響を与えることができるのは、われわれが勇敢で中立の立場を守るプロフェッショナル・ジャーナリズムに徹しているからだ。

間違いを犯した場合(実際に犯すことはある)、直ちに完全に訂正をする。何か知らないことがあれば、正直にそう言わなくてはいけない。うわさを聞いたなら、それを追跡し、事実に基づくものだと自信が持てる場合にのみ報道する。

スピードは重んじるべきだが、性急ではいけない。さらに確認が必要なときは、確認に時間をかける。最も早かったとしても、間違っている「スクープ」は回避しなくてはならない。落ち着きある高潔さをもって仕事に向かわなければならない。それは、われわれのルールブックにそうあるからということだけが理由ではない。これまで165年にわたり、それがロイターとしての最高かつ最良の仕事を可能にしてきたからだ。

(31日)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
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