September 9, 2016 / 7:41 AM / 2 years ago

ブログ:経済危機のベネズエラ、捨てられる犬たち

[ロステケス(ベネズエラ) 7日 ロイター] - 深刻な経済危機に見舞われているベネズエラで、通りや公園、仮設シェルターに、痩せ衰えた捨て犬があふれている。家族を養うことすら大変なのにペットの世話までできないからだ。

 9月7日、深刻な経済危機に見舞われているベネズエラで、通りや公園、仮設シェルターに、痩せ衰えた捨て犬があふれている。同国ロステケスにある犬の保護施設で8月撮影(2016年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)
ベネズエラ北部ロステケスにある犬の保護施設で8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

ベネズエラ北部ロステケスにある犬の保護施設で8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

首都カラカス郊外の丘にある荒廃した保護施設では、ガリガリに痩せた数百匹の犬が、近くの通りや森にある食べ物を求めて吠え、金網をひっかいている。

南米ベネズエラでは3年にわたる経済危機の結果、ペットの犬を捨てる飼い主が急増している。ドッグフードを買う余裕がない人が増えているほか、海外に移住するため犬を放置するケースが後を絶たないという。

「危機の打撃は大きい」と、同国北部ミランダ州の州都ロステケスで保護施設を運営するマリア・アルテアガさん(53)は話す。アルテアガさんは、以前は自宅で野良犬の世話をしていたという。

「人々が犬を捨てているのは、食べ物が買えず、国を離れようとしているから」

2カ月前の日曜日、バイクに乗った男性に連れて来られた「トミー」。街をさまよっていたというが、男性は犬の名前を知っていた。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

2カ月前の日曜日、バイクに乗った男性に連れて来られた「トミー」。街をさまよっていたというが、男性は犬の名前を知っていた。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

数時間おきに車が止まり、犬が引き渡されていく。なかには血統書付きの犬もいる。ボランティアが毎日寄付を届け、犬に食べ物を与えるのを手伝っている。

撮影の1週間前、保護施設の前に置かれた箱のなかで瀕死の状態でいるのを発見された「虫食い」。体中を虫に食べられていたが、今では回復しつつあるという。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

撮影の1週間前、保護施設の前に置かれた箱のなかで瀕死の状態でいるのを発見された「虫食い」。体中を虫に食べられていたが、今では回復しつつあるという。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

アルテアガさんは正式に登録はしていないが、過去数カ月、ここに来る犬の数が増加していると感じている。わずかこの2週間でプードル9匹が連れて来られた。

顔に黒い点があることから「シミ」と名付けられたこの犬は好戦的で、食事中は誰も近づけなかった。撮影の翌週に亡くなった。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

顔に黒い点があることから「シミ」と名付けられたこの犬は好戦的で、食事中は誰も近づけなかった。撮影の翌週に亡くなった。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

リセッション(景気後退)3年目に突入し、ベネズエラ国民は食料や医薬品不足に直面し、3桁のインフレ率で家計は破綻している。

例えば、20キロのドッグフードは闇市場のレートで約50ドル(約5100円)もする。これは米国での価格のほぼ2倍であり、1カ月当たりの最低賃金が23ドルのベネズエラでは、多くの人に手が届かない価格だ。

病院の外で看護師に助けられたこの犬は「看護師」と名付けられ、保護施設の外で暮らしており、とても優秀な番犬だという。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

病院の外で看護師に助けられたこの犬は「看護師」と名付けられ、保護施設の外で暮らしており、とても優秀な番犬だという。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

アルテアガさんが運営するような保護施設が急速に増える一方、街をうろつく野良犬の数もかつてないほど増加している。ペットショップは食料や医薬品の在庫不足に悩まされている。

ベネズエラの社会主義政権がかつて、動物愛護政策を推進していたにもかかわらず、ペットは現在このような苦境に立たされている。

とても神経質で、人が寄ると鳴いて反応する。争いごとは嫌いだが、他の犬の食べ物を盗み食いするのが好き。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

とても神経質で、人が寄ると鳴いて反応する。争いごとは嫌いだが、他の犬の食べ物を盗み食いするのが好き。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

マドゥロ大統領は2013年、独立運動の英雄シモン・ボリバルの愛犬の名ネバドを冠した対策を立ち上げ、野良犬の救出・保護に取り組んだ。

だが今では警察でさえ、警察犬を養うのに食べ物を制限している。

施設にいるなかで、一番の「お嬢様」。足が濡れるのが嫌いだった。撮影の翌週に亡くなった。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

施設にいるなかで、一番の「お嬢様」。足が濡れるのが嫌いだった。撮影の翌週に亡くなった。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

ある日、システムエンジニアのマリア・ロドリゲスさん(33)は、ロステケスで野良犬に遭遇した。すると、12歳の息子は、自宅で飼っているボーダーコリーと一緒に飼いたいと言い出した。

「悲しいけど、私たちの収入では自分たちが食べていくのも十分ではない。犬数匹を食べさせることなんてできない」と、ロドリゲスさんはアルテアガさんの保護施設にその犬を引き渡した後でこう語った。

ロイターカメラマンが取材に訪れたときに施設にやって来たので、「ロイター」と名付けられた。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

ロイターカメラマンが取材に訪れたときに施設にやって来たので、「ロイター」と名付けられた。ロステケスで8月撮影(2016年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

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