[オタワ 25日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のポロズ総裁は25日、上院銀行委員会で証言し、同国経済は原油価格急落を受けた長い調整を経て「ようやく前向き」になったとの認識を示した。ただ、複数の部門では依然として弱さがみられるとした。
総裁は、1人の議員から4月18日に中銀が示した「かなり楽観的」な見通しについて問い質されると、「われわれの捉え方は、楽観的というより、ようやく前向きになったというものだ」と語った。
中銀は昨年7月以降、3回の利上げを実施。市場が織り込む7月までの追加利上げの確率は70%程度となっている。
石油輸出国であるカナダの経済は原油価格が2014年に下落傾向に転じた際に大きな打撃を受けた。
公聴会の冒頭でポロズ総裁は、緩やかな利上げが必要となる見通しだが、インフレを軌道に維持するには引き続きある程度の緩和策が必要だと改めて説明した。
「無論、(利上げを)急ぎすぎればリスクが生じる。人々は多くの債務を抱えている」と指摘。「急ぎすぎて金融安定に対するリスクのさらなる顕在化を招くことは避けたい」と強調した。