February 12, 2019 / 5:33 PM / 6 months ago

世界経済、緩慢ペースで安定へ 保護主義など脅威=英中銀総裁

[ロンドン 12日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は12日、世界的な経済成長はより緩慢な新たなペースで安定化する公算が大きいとの見方を示した。ただ、中国を巡る状況、通商戦争、保護主義の台頭などでこうした「繊細な均衡」が乱される恐れもあると警告した。

 2月12日、イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は、世界的な経済成長はより緩慢な新たなペースで安定化する公算が大きいとの見方を示した(2019年 ロイター/HANNAH MCKAY)

このほか、英国が条件などで合意できないまま欧州連合(EU)を離脱する事態になれば、英経済は短期的な打撃を受けるとの認識も示した。

カーニー総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が主催したイベントで講演し、このところの世界的な景気減速の要因として、金融情勢のタイト化や通商を巡る緊張の高まりなどを挙げ、中国の債務の増大、および世界的な通商における新たな障壁が世界経済の成長見通しに対する「重大で、かつ増大しつつある」リスクとなっていると指摘。保護主義の影響はすでに出始めていると警告した。

その上で「現在見られている広範な減速と下向きリスクの双方を勘案すると、2010年に始まった世界的な経済成長は終盤に入ったとの見方が一部で出始めている」と指摘。「リスクが散見され、世界経済は減速しつつあるものの、政策的な対応の組み合わせ、および先進国で現在見られている不均衡を踏まえると、世界的な経済成長は新たな、より緩やかな水準で最終的には安定していく公算が大きい」と述べた。

ただ「これは保証されたものではない」とし、「世界は繊細な均衡の上に成り立っている」との認識を示した。

また、通商戦争に「勝利するのは簡単ではない」とも指摘。トランプ米大統領は昨年3月、「通商戦争に勝つのは簡単だ」と述べている。

この他、英国のEU離脱(ブレグジット)については、「多くの意味で、ブレグジットは新たな世界秩序の初めての試金石となる。開放性の恩恵を拡大させながら、民主的な責任を強化する道を探すことができるのかを試すリトマス試験でもあると言える」と語った。

ただ現在は、条件などで合意できないまま英国が3月29日にEUを離脱する公算が大きくなっている。カーニー総裁は講演後の質疑応答で、こうした事態になれば「当然、短期的に収入は打撃を受ける」とし、「かなり悪い方向に向かう可能性があるとの認識を持っておく必要がある。こうした可能性まで残すところ45日となっている」と述べた。

その上で「いかなる幻想も持ってはならない。合意なき離脱は英経済に対する打撃となる」と警告。英ポンド安も問題の解決には寄与しないと述べた。

英国立統計局(ONS)が11日に発表した2018年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%増と、前期の0.6%増から伸びが鈍化。18年の成長率は6年ぶりの低水準となった。

カーニー総裁はGDP統計は英中銀の見通しに沿ったものだったとし、こうした結果はブレグジットを巡る先行き不透明性が払拭される必要があることを示していると述べた。

その上で、ブレグジットに関する先行き不透明性が重しとなり英国での企業投資は急減したが、こうした動きはグローバリゼーションの巻き戻しの「先行指数」として捉えることができると指摘。同様の先行き不透明性が拡散すれば、世界的な経済成長が阻害される恐れがあるとの見方を示した。

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