[北京/シドニー 15日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングの小型機「737MAX」が14日に米シアトルを出発し、中国にある完成工場に向かったことが業界筋の話で分かった。2度の墜落事故を起こした同機は中国で3年間運航が停止されているが、再開される可能性が出てきた。
航空機の航路追跡サイトによると、中国東方航空傘下の上海航空の塗装を施した機体はハワイに着陸。関係筋によると、ハワイでは複数日にわたる飛行で最初の燃料補給を行った。
中国浙江省舟山の完成工場では機体納入前に内装を施すなど仕上げ作業を行う。2018年12月に稼働したが、その数カ月後に737MAXの2回目の墜落事故が起き、中国は同機の運航を停止した。
ジェフリーズのアナリストは顧客向けノートで、中国で同機を納入することになれば19年3月以来初めてだと指摘。「同国は元来、納入の17%を占めていたため、意義は大きい」とした。
中国は737MAXの墜落事故を受けて運航を停止した最初の国で、いまだに商業運航が再開していない唯一の主要市場だ。国内の新型コロナウイルス感染者増加を背景に、運航再開は当初の予想より遅れている。
ボーイングは舟山の完成工場への737MAXの飛行についてコメントを控えた。
複数の関係者によると、中国の航空会社は、国内のコロナ感染拡大がここ2年で最も深刻になる中で航空需要が低下しているため、737MAXの運航再開を急いでいない。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」