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焦点:ボーイング787に販売鈍化懸念、多額費用計上の可能性も

[シアトル 16日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングBA.Nのフラッグシップである787型機(ドリームライナー)は初期の生産遅れやバッテリーの発煙・発火問題といったトラブルに見舞われてきたが、ここへきて新たな課題に直面している。それは販売の鈍化だ。

 5月16日、米航空機大手ボーイングのフラッグシップである787型機(ドリームライナー)は初期の生産遅れやバッテリーの発煙・発火問題といったトラブルに見舞われてきたが、ここへきて新たな課題に直面している。それは販売の鈍化だ。写真はロサンゼルスで2012年3月撮影(2016年 ロイター/Lucy Nicholson)

業界は販売不振に陥っており、ボーイングとエアバスのワイドボディジェットの販売は2013年以降で51%減少。一部のアナリストらは、短期的に787型機の販売が拡大しなければ、ボーイングは787型機の繰延費用の一部を処理するため多額の費用計上を迫られるとみている。

787型機は軽量化と新エンジンで従来機と比べ燃料コストを最大20%削減できるほか、航続距離も伸びた。乗客にとっても窓が大きくなったほか、騒音がより少なく、キャビン環境も一段と快適になっており、人気は続いている。

ボーイングはこれまでに1154機を販売し、最も販売ペースが速いワイドボディ機となっている。しかし、ボーイングが会計上で費用繰延の基準として利用する1300機には届いていない。

多くの航空会社は2008─09年の金融危機の前に787型機を仕入れており、現時点でさらに発注する必要性はない。

ワイドボディ機のリース世界最大手エアキャップ・ホールディングスAER.Nのケリー最高経営責任者(CEO)は「航空会社は(従来機の)リース期間を2─3年伸ばしたいと言ってきている。原油安の結果だ」と述べた。

ボーイングは以前、米証券取引委員会(SEC)が787型機の費用に関して調査しているとの報道にコメントしなかった。

スミス最高財務責任者(CFO)は先月、「会計は一般会計原則(GAAP)に準拠している」と説明した。

<株価は年初来で8%超下落>

787型機をめぐる問題はボーイングの株価にも反映されている。

今年に入ってから、航空宇宙・防衛関連株指数が5%超上昇しているにもかかわらず、ボーイングの株価は8%超下落。空売りも過去最高水準に積み上がっている。

ボーイングは目標達成のために年内に約120機の受注を確保する必要があるものの、現時点では中国東方航空600115.SSから受けた最近のオーダーも含め、差し引きのトータルが12機にとどまる。

エアキャップ・ホールディングスは80機以上のドリームライナーを保有。ケリーCEOは「価格が適正なら」さらに購入するとしつつ、「そうでなければわざわざ購入しない」と述べた。

ボーイングの広報担当者、ポール・バーグマン氏は「今年の販売見通しは堅調」であり、「787型機の繰延費用は取り戻せる」としている。

中国からの大型受注も期待できる。前出のケリーCEOは最近、中国4大航空会社と面会。原油安でも長期的視野に立った787型機への関心は損なわれていなかったという。中国の航空会社はこれまでに787型機を56機発注している。

ボーイングのムーレンバーグCEOは11日、アナリスト向けカンファレンスで「市場シェアのために市場シェアを追うことはない」と述べ、販売数を増やすための大幅な値下げはしないとの考えを示した。

しかし、業界関係者はボーイングが販売に躍起になっていると指摘。コンサルティング会社シーベリー・グループのエグゼクティブ・ディレクター、ケン・ラフ氏は、航空会社が787型機を購入したいなら「交渉して契約するには悪くない時期かもしれない」とした。

Alwyn Scott記者 執筆協力:Tim Hepher and Siva Govindasamy 翻訳:川上健一 編集:加藤京子

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