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日銀、22年度物価見通し引き上げ検討 プラス1%台後半の可能性=関係筋

[東京 15日 ロイター] - 日銀は27―28日の金融政策決定会合で、2022年度物価見通しの上方修正を検討する見通しだ。ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格が高騰したことなどを反映し、プラス1%台後半に引き上げる可能性がある。複数の関係筋が明らかにした。一方で、資源高は企業収益や実質所得の減少を通じて景気の下押し圧力となるため、22年度の実質国内総生産(GDP)予想は下方修正を検討する。

 4月15日、日銀は27―28日の金融政策決定会合で、2022年度物価見通しの上方修正を検討する見通し。写真は日銀の前を通る男性。都内で2020年5月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日銀は、コロナ禍からの回復途上にある経済を支えていくため、金融緩和を継続する方針を改めて示すとみられる。

今回の決定会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を取りまとめる。前回1月の展望リポートでは、22年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の政策委員見通し中央値は前年度比プラス1.1%だった。

黒田東彦総裁など日銀幹部は、エネルギー価格の大幅上昇により、携帯通信料の押し下げ要因がはく落する4月以降、コアCPIはプラス2%付近まで上昇するとの見通しを示してきた。原油高はタイムラグを伴ってガソリン価格、電気代などに波及する。日銀では、少なくとも年末にかけてエネルギー価格が物価の押し上げ要因になりそうだとの指摘が出ている。

ただ、購入頻度が高いガソリンや食料品の価格上昇により、消費者心理が冷え込むことへの警戒感から企業の値上げがあまり広がらない可能性や、値下げで対応する動きも想定される。

企業の賃上げも2%目標の安定的な達成を可能とするほど強まっていない、との声が日銀では聞かれる。中長期の予想インフレ率の上昇は限定的で、日銀内では、エネルギー価格が上昇をけん引するコアCPIよりも基調的な物価上昇圧力の推移をしっかり見る必要があるとの指摘が出ている。

一方、22年度実質GDPは前回の前年度比3.8%増から下方修正の見通し。資源高で企業収益や実質所得に下押し圧力が掛かる中、消費の回復が緩やかになりそうだとの見方が日銀では出ている。中国での感染拡大で物流網に影響が出ており、生産・輸出が下押しされることへの懸念もある。

個人消費は今年1月、新型コロナウイルスのオミクロン株感染急拡大を受け、急速に落ち込んだが、まん延防止等重点措置の解除で足元では回復しており、景気の回復基調は維持されるとの見方が日銀では聞かれる。

ウクライナ危機で経済・物価の不確実性が急速に高まった3月の決定会合で、日銀は「所得から支出への前向きの循環メカニズムが家計部門を含め経済全体で強まるなかで、経済は潜在成長率を上回る成長を続ける」との1文を声明文から削除した。

3月日銀短観では企業の設備投資計画が大きく揺らいでないことが確認され、日銀では前向きの循環メカニズムは途切れていないとの指摘が出ている。日銀の野口旭審議委員は7日の講演で「外需増加を起点とした企業収益から設備投資への好循環は途切れていない」と述べた。

しかし、市況高の動向次第では経済への下押し圧力が強まるほか、感染が急拡大すれば個人消費に再び下押し圧力が掛かり、経済の回復ペースがさらに鈍る可能性がある。今回、「所得から支出への前向きな循環メカニズム」の文言を復活させる場合でも、従来の表現は修正される可能性がある。

日銀はウクライナ情勢と新型コロナウイルス感染症の影響をリスク要因とし、経済・物価の不確実性が大きいことを改めて強調、現在の金融緩和政策を維持する方針を示す見通しだ。

(和田崇彦、木原麗花 編集:石田仁志)

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