July 8, 2019 / 10:03 AM / 9 days ago

日銀支店長会議、全地域が景気判断維持 景気回復シナリオを支援

[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に開いた夏の支店長会議では、5月以降の米中貿易摩擦の激化の具体的な影響は限定的にとどまっていることが確認された。内需の底堅さを示した6月短観を含め、日銀が描いている年後半にかけて景気が持ち直していくとの中心シナリオをサポートする内容といえそうだ。

 7月8日、日銀が開いた夏の支店長会議では、5月以降の米中貿易摩擦の激化の具体的な影響は限定的にとどまっていることが確認された。2017年に撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

午後に公表された地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域の景気判断が前回から据え置きとなった。全地域据え置きは2018年7月調査以来1年ぶり。前回4月調査では、海外経済の減速を受けて3地域が判断を引き下げ、1地域が引き上げていた。

日銀では、全地域が判断を維持した背景について「企業・家計の両部門において所得から支出への前向きな循環が働くもとで、国内需要の増加基調が続いている」と説明。もっとも、米中貿易摩擦などを受けて「海外経済の不透明感の高まりや、その影響を指摘する声が幾分増えている」と付言した。

実際に各地域の景気判断をみると、近畿が足元で輸出・生産に弱めの動きがみられていることを背景に、「緩やかな拡大を続けている」との総括判断を維持しながらも、「一部に弱めの動きが見られるものの」という文言を付け加えた。中国も生産の判断を下方修正した。

支店長会議後に会見した山田泰弘大阪支店長(理事)は「輸出と生産は、中国やNIES向けを中心に弱めの動きとなっている」と述べる一方、設備投資や個人消費、インバウンド消費など内需は堅調と指摘。

先行きは、企業ヒアリングなどを踏まえて「IT関連財の調整の進捗などを背景に、海外需要は年度後半にかけて増加基調に復していく」との見方を示しながらも、「足元の海外経済をめぐる不確実性が、しっかりした内需に影響を及ぼさないか、よく見ていきたい」と警戒感もにじませた。

「拡大している」との判断を据え置いた清水季子名古屋支店長は「中国経済の減速が輸出・製造業の重石になっているが、堅調な内需と中国以外の外需に支えられている」と説明。先行き、海外経済の下振れリスクは大きいとしながらも「メインシナリオとしては、東海経済の拡大は続く」との見通しを示し「年後半の回復シナリオが後ずれしているとの認識はない」とした。そのうえで、半導体サイクルの後ずれリスクを指摘する向きもあり「そういう影響は注視する必要がある」と述べた。

宮下俊郎福岡支店長は「メインシナリオとして年後半の回復を変えている先はそれほど多くない」としたものの「後ずれするリスクは高まっているとする声が、前回(4月)よりも増えているのは事実」と述べ、慎重な見方が増えていることを明らかにした。

他の支店からも、海外経済をめぐる不確実性の強まりを受けて「5月以降受注水準が一段と切り下がった」(松江・生産用機械)や、家電や車載向け受注回復時期が「19年度下期から後ずれする可能性が高まった」(仙台・電子部品デバイス)などの声が出ていた。

一方で内需は底堅さを指摘する声が多く、特に設備投資は「全体として積極的に実施していくとの声が多かった」(日銀幹部)という。

支店長会議の開会で挨拶した黒田東彦総裁は、足元の景気について「基調としては緩やかに拡大している」と述べた。先行きについては「当面、海外経済の減速の影響を受けるものの、基調としては緩やかな拡大を続ける」との見通しを示した。

清水律子 伊藤純夫

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