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経済、コロナの影響から回復し今後数カ月で成長局面に=日銀総裁

[東京 29日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は29日、日本経済について、今後数カ月以内に新型コロナウイルスの影響から回復して成長局面に入るとの見通しを示した。気候変動対応については、グリーンボンドの直接購入ではなく、金融機関による気候変動関連の投融資をバックファイナンスする資金供給オペが「日本の市場構造を踏まえると、最も効果的な方法だ」と指摘した。

 11月29日、日銀の黒田東彦総裁(写真)は、気候変動リスクへの対応策として、グリーンボンドの直接購入ではなく、金融機関による気候変動関連の投融資をバックファイナンスする資金供給オペが「日本の市場構造を踏まえると、最も効果的な方法だ」と述べた。写真は2019年7月、都内で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

黒田総裁はパリ・ユーロプラス主催のオンラインイベントで講演した。講演は気候変動対応をテーマに行ったが、講演に入る前に日本経済に言及した。

日銀は今年6月に気候変動オペの導入を決定。12月23日に第1回のオペを実施する。黒田総裁は日本のグリーンボンド市場について「発行額・件数は増えてきているものの、海外と比較すると規模・件数ともに小幅にとどまっている」と指摘。日本は銀行中心型の金融システムのため「銀行を通じた気候関連投融資の促進が重要になる」と話した。

<リスク管理と情報開示>

黒田総裁は、気候変動に伴うリスクが様々な経路で金融機関経営や金融システム安定に影響を及ぼすと指摘。気候関連金融リスクの適切な管理が「社会・経済全体のシステミックな頑健性の強化にもつながる」と述べた。

その上で、日銀が金融庁とともに、大手行を対象にシナリオ分析の試行的な取り組みを進めていることや、日本に水害が多い特性を踏まえ、水害が企業財務に与える影響について定量的な分析を進めていることに言及した。

日銀の気候変動オペに参加する金融機関には、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が推奨する方式での情報開示が義務づけられている。黒田総裁は「投資家に気候関連投融資に必要な判断材料を提供すると同時に、市場が企業の行動を規律付けする」と述べ、開示の重要性を強調した。

国際会計基準(IFRS)財団が新たに「国際サステナビリティ基準審議会」(ISSB)を設立し、サステナビリティ関連情報の開示に関する国際基準の策定を目指すと発表したことに触れ、「グローバルに調和された形でディスクロージャー(情報開示)の質と量を拡充させていくことが重要だ」とした。

黒田総裁は英語で講演した。

(和田崇彦)

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