[東京 11日 ロイター] - 日銀が11日に発表した6月の企業物価指数(速報)によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比2.8%の上昇となり、ロイターがまとめた民間予測と一致した。主に原油価格の上昇が指数を押し上げ、18カ月連続でプラス幅を確保した。前月比では0.2%の上昇だった。
前年比で見た内訳は、「石油・石炭製品」が23.4%上昇と2017年3月以来の伸びを記録したほか、「非鉄金属」が10.3%の上昇となった。「鉄鋼」は五輪関連での堅調な建設需要を背景に4.5%上昇した。
一方、「電気機器」や「情報通信機器」は、いずれも0.7%下落。世界的なスマートフォン需要の鈍さからNAND型フラッシュメモリーの価格が下がり、「電子部品・デバイス」も0.1%下落した。
公表744品目のうち、前年比で403品目が上昇、260品目が下落した。上昇と下落の差は143品目で、前月確報から12品目増えた。
日銀調査統計局では「原油価格が先行きの企業物価に与える影響は当面見極めがたい状況が続く」(幹部)としている。
梅川崇