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焦点:日銀、中期国債の買入さらに減額へ 「80兆円」削除は慎重
2017年3月31日 / 11:13 / 8ヶ月後

焦点:日銀、中期国債の買入さらに減額へ 「80兆円」削除は慎重

[東京 31日 ロイター] - 日銀は31日、4月の長期国債の買い入れ運営方針を公表し、需給が逼迫している中期ゾーンの買い入れを、さらに減額していく姿勢を示した。足元では、日銀が年間約80兆円をめどとしている国債保有残高の増加ペースから下振れることが確実な情勢だ。

 3月31日、日銀は4月の長期国債の買い入れ運営方針を公表し、需給が逼迫している中期ゾーンの買い入れを、さらに減額していく姿勢を示した。写真は都内の日銀本店、昨年9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

市場の一部では「80兆円めど」の表記を声明から日銀が近く削除するのではないかとの思惑もあるが、日銀は市場動向を見極めながら、慎重に対応していく考えとみられる。

<中期ゾーンの需給逼迫に対応>

4月の運営方針では、残存期間「1年超3年以下」の1回あたりの買い入れ額を2000─3000億円程度とし、3月の3000─4000億円程度から、レンジを1000億円切り下げた。

同ゾーンの直近の買い入れ額は1回3000億円とレンジの下限まで減額されたいたが、さらに減らしていく姿勢を鮮明にした格好だ。

同様に「3年超5年以下」も3000─4000億円程度とし、3月の3500─4500億円程度から500億円切り下げられた。

それ以外の年限の買い入れ額や、中期ゾーンを含めた買い入れ回数について変化はなかった。

日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度の目標に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を実施しているが、2年債利回りが足元でマイナス0.2%程度で推移するなど中期ゾーンの金利は短期金利を下回る歪な状況にある。

従来のペースで買い入れを進めれば、発行対比でも買い入れ規模が大きく、需給が逼迫している中期ゾーンの金利が一段と低下し、日銀が目指す「金融市場調節方針と整合的なイールドカーブ」から乖離することを警戒したとみられる。

<国債買い入れ、年間80兆円ペースから下振れ>

4月の買い入れペースを今後も維持した場合、日銀が国債残高の増加のめどとしている「年間約80兆円」から下振れることは確実。

みずほ証券の推計によると、3月末に日銀が保有する国債残高は、前年同月に比べて約70兆円(額面)の増加にとどまったもようで、今回の中期ゾーンの減額によってさらに下振れる可能性が大きい。

このため市場の一部では、近く日銀が増加ペースに関する文言を声明から削除してくるのではないか、との思惑も浮上しているが、日銀は慎重に対応する構え。

2月は長期金利の上昇を受け、固定利回りで無制限に買い入れる「指し値オペ」に踏み切ったこともあり、月間の国債買い入れ額が過去2番目の高水準となる10兆円超に膨らんだばかり。

米国が利上げ路線を鮮明にする中で、日本の長期金利にも上昇圧力がかかり、国債買い入れの増額を迫られる局面がいつ到来してもおかしくない。日銀は当面、市場の動向を注意深く見極めていく考えだ。

伊藤純夫 星裕康 編集:内田慎一

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