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9月日銀短観、大企業製造業の業況判断DIは横ばい:識者はこうみる
2016年10月3日 / 01:37 / 1年後

9月日銀短観、大企業製造業の業況判断DIは横ばい:識者はこうみる

[東京 3日 ロイター] - 日銀が3日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス6で横ばいとなった。大企業非製造業の業況判断DIはプラス18で、3四半期連続で悪化した。

 10月3日、日銀が発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス6で横ばいとなった。大企業非製造業の業況判断DIはプラス18で、3四半期連続で悪化した。 写真は都内の日銀本店前で3月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者のコメントは以下の通り。

<SMBC日興証券 チーフマーケット・エコノミスト 丸山義正氏>

見どころの乏しい結果となった。熊本地震や燃費不正の影響で弱かった自動車が戻ったぐらいなので、若干ネガティブ方向といったところか。

ドル/円の大企業・製造業による想定為替レートは1ドル107.92円と円高方向に下がり、収益計画は下方修正された。想定為替レートの水準自体は足元の相場より高いが、短観での修正が緩やかなのは想定の範囲内と言える。

金融政策への影響の面からは、今回の短観自体はあまり関係なさそうだ。需給判断もほぼ横ばいだし、日銀が重視する生産・営業用設備や雇用の判断も改善が続いていると読める。

先立って発表のあった消費者物価指数(CPI)が弱かったことで、10月展望リポートで物価見通しを下げてくる可能性はあるが、9月会合で新たな枠組みを打ち出したばかりでもある。追加緩和という思惑にすぐさまつながる話でもないだろう。

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

近年のパターンと比較すると、設備投資の上方修正の鈍さが最大の特徴だ。為替の状況、海外経済環境などが投資意欲をやや冷やしているとみられる。

業況判断DIの結果はまちまちだが、全規模・全産業で見ると、製造業が小幅改善、非製造業が小幅悪化なので、全体としてみれば予想されたパターン通りになっている。

マーケットへの影響としては、日銀の政策に直接のリンクがあまりなく、日銀の国債買い入れオペを見ながら一喜一憂している現行の相場では、少なくとも債券市場に対してはほとんど影響がないとみている。

<内藤証券 投資調査部長 田部井美彦氏>

大企業・製造業DIは6月調査に比べ大きく落ち込んだ訳でもなく、株式市場には若干プラスに働く可能性はあるが、想定為替レートの水準は実勢に比べ楽観的であり、不安を残す内容でもある。中小企業・製造業DIは9月調査では前回に比べ改善したが、先行きはマイナス5と、マイナス幅が拡大する見立てになっている。内需の不振もはっきり表れている。設備投資に関しても、企業側は中間期決算を受けてから計画を変えてくることもあり、今後減額される可能性が十分にある。

外為市場で円高が進行したとしても、日本株に対しては日銀によるETF(上場投信)買いがある。相場は円高の影響を受けていないようにみえたとしても、実体経済にはしっかりと影響が出ている。株価の水準が変わらなくても、PER(株価収益率)だけが上昇する可能性も大きい。仮に12月に米利上げがあり、瞬間的に為替がドル高/円安方向に振れたとしても、その継続性については疑問が残る。株式市場が為替の影響をカバーできたとしても、実体経済は異なる。構造改革の必要性が意識されるところでもある。

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

今回の短観のDIは、規模や製造業・非製造業を問わず、前回とほぼ同じ内容であり、先行き12月については全体的に横ばいもしくは微減に留まった。

今年度の設備投資計画は、スタートの3月時点で発射台がここ数年で2番目に低く、かつ、その後の上方修正の仕方も弱い。今回9月は6月比ほぼ横ばいで、やはり低調なままであった。ここに真の企業センチメントが隠されているように思われる。

英国のEU離脱決定後の世界経済の先行き不透明感が若干薄まったものの、7―9月期は総じて、円相場が強い時間帯が長くなったことが影響しているものと考えられる。

大企業・製造業の事業計画の前提となる想定為替レートは、2016年通年で107.92円であり、100円割れを覚悟している製造業にとっては、現実逃避に近いものと言えよう。

為替相場のドルの戻り局面では、本邦勢による売りが実行されにくいかもしれないが、最終的には現実に収れんする格好で、3月期末に駆け込み的なドル売りが集中する可能性もあるとみている。

今回の短観の数字には表面的には大きな変化は見られず、日銀による追加的な金融政策を促すものではないだろうし、マーケットからの催促を生むものではないだろう。つまり、先行きを示唆する材料としては、インパクトが弱いものと位置付けられる。

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