Reuters logo
緩和に副作用なし、利上げなら景気悪化で一層金利低下=原田日銀委員
November 30, 2017 / 2:20 AM / in 19 days

緩和に副作用なし、利上げなら景気悪化で一層金利低下=原田日銀委員

[福島市 30日 ロイター] - 日銀の原田泰審議委員は30日、福島市内で講演し、日銀の大胆な金融緩和には一部で指摘されている副作用や危険は存在せず、金融機関の低収益も低金利が原因とは言えないとの見解を示した。物価が十分に上昇していない状態での利上げは、景気悪化によりさらなる金利低下をもたらすと指摘、長期金融緩和に対する批判をけん制した。

 11月30日、日銀の原田泰審議委員は30日、福島市内で講演し、日銀の大胆な金融緩和には一部で指摘されている副作用や危険は存在せず、金融機関の低収益も低金利が原因とは言えないとの見解を示した。写真は2015年3月に会見する同審議委員(2017年 ロイター/Yuya Shino)

<物価上がらないのは「人手不足が不十分だから」>

原田委員は大規模な金融緩和を提唱するリフレ派の論客として知られ、講演では現行の「量的・質的緩和(QQE)は大きな成果を上げている」「危険とか副作用とか言われているものも根拠がない」と断言した。賃金や物価が上がらないのは「人手不足が不十分だから」と説明し、雇用の需給が十分には逼迫(ひっぱく)していないとの見解を示した。

具体的には、1%台半ばの物価上昇が続き、経済の潜在力との乖離(かいり)を示す需給ギャップが、現在1%台半ばの需要超過から、2%台半ばの需要超過となれば2%の物価上昇になると試算した。

2%の物価目標をより実現可能な水準に引き下げるべきとの意見に対しては、「2%はグローバルスタンダード」、「日本だけ低い目標を持てば、結果として円高をもたらす」と反論した。

<過去の日銀による早期利上げは「大失敗」>

日銀では過去、金利が低すぎれば不況時に刺激策がなくなるとして、景気回復が十分でなくても早めに金利を引き上げる「のりしろ論」を根拠に利上げを進めたものの、「結果は大失敗」だったと酷評。「十分な物価上昇のモメンタムを確認してから利上げを行なうのが正しいのりしろ論」と主張した。

<銀行の低収益は借り手不足が原因>

日銀の長期にわたる金融緩和が金融機関の体力をそいでいるとの批判には、「銀行業が困難な状況にある理由は借り手がいないから」「低金利によって銀行の利益が必ず低下するとは言えない」と反論した。

仮に金融機関の収益が金利水準に依存するとしても、「物価が上がらないのに金利を上げれば、景気は悪化し、かえって金利をさらに下げざるを得なくなる」「今後、物価の上昇とともに金利の上昇が期待できる」とし、現行の金融緩和の継続に理解を求めた。

日銀が金融緩和からの出口で債務超過に陥るとの指摘に対して、中銀が債務超過に陥った国でジャマイカやフィリピン、ベネズエラはインフレなど経済が混乱したが、「70年代の西ドイツ、90年代から現在までのチリなどではインフレの高まりはみられていない」と反論した。

*内容を追加しました。

竹本能文

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below